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はじめに:
Marantz NR1711で7.1chのサラウンドな音を楽しみます。最初にスピーカーシステムを組んだあとも、音に包まれる感じを深めるために、スピーカーの組み合わせを見直してきました。かなり気持ちよく音に包まれる感じにできたので、見直した内容をまとめます。サラウンドスピーカーに関心のある方の参考になればうれしい。
スピーカー構成のあらまし
7.1chのスピーカー構成について基本形を説明してから、見直し後のスピーカー構成を説明します。
7.1chサラウンドの基本形
下の図は7.1chサラウンドのスピーカー構成の基本形です。NR1711の説明書から引用しました。基本は5.1chで、スピーカー2台を追加して7.1chにします。追加するスピーカーをどこに設置するかで、7.1chの組み方は数通りあります。私は実際の視聴環境を考慮したうえで、フロントハイト(FHR,FHL)スピーカーを追加して7.1chにする組み方を採用しました。
現状のスピーカー配置
私の視聴環境で見直したあとの現状のスピーカー配置図です。上の図を加工して作成しました。マルで囲んだ英略号がスピーカーの種類とその配置場所を示します。
下の写真が前面側のスピーカー配置の実際の様子です。
設置場所が接続例と異なるスピーカーには、接続例の位置から実際の設置場所へ向く矢印を入れました。視聴環境が接続例のような標準形にはできないことを説明したかったからです。
下の図では、部屋の天井から見下ろした視聴環境の間取り図にスピーカーの設置場所や視聴場所などを書き加えました。
視聴場所(Listening Point:LP)については、部屋の中央(LP2)の他にLP1とLP3の2箇所を加えてあります。音楽を楽しむ場所は、仕事中、くつろぎ、食事中、それぞれで変わります。
サラウンドスピーカー(SRとSL)は、基本のSR1とSL1に加えてSR2からSR5とSL2からSL4の合計で9台を設置しました。
テレビ(TV)やメインスピーカー(FR,FL)が部屋の隅にあるのに、部屋が縦長で視聴場所(リスニングポイント:LP)が3箇所もあります。3つのLPのどこにいても音に包まれるようにスピーカーを配置することを目指しました。
見直しのおもな内容
これまでに3つの見直しをしました。
- フロントハイトスピーカーの設置
- サブウーファーの設置
- サラウンドスピーカーの設置
その内容を順番に説明します。
フロントハイトスピーカーの設置
フロントハイトスピーカーの設置には一番悩みました。文章が長くなりますが、悩んだ過程を振り返っていきます。
- 当初はBOSE120をフロントスピーカー(FRとFL)の直上に置きました。フロント(前)からの音が強調される一方で、空間に音を広げる効果には結びつきません。
- それならと、超小型の可愛いスピーカーを追加してカーテンにぶら下げてみましたが、これは音量不足で、音の広がりにはほとんど貢献しませんでした。このスピーカーの本来の使い方をしなかったことは気の毒でしたし反省です。
- そこでBOSE120を部屋の左右の隅のとりあえず置ける所に移してしばらく使ってました。音は左右にかなり広がったので満足度は上がりました。でもフロントトップ本来の目的である、上方の空間への音の広がりには効果なし。やはり高い位置にスピーカーを置きたい。
下の写真は、当初BOSE120をとりあえずフロントスピーカーの直上に置いてみたようすです。
超小型のスピーカーをカーテンに引っ掛けていた様子も写真で残しておきます。
その後は、BOSE120を高いところになんとかして取り付けられないかと模索しました。
BOSE120の高所取り付けは断念
BOSE120を高いところに取り付けたい。しかしこのスピーカーの重量は3kg以上もあります。壁掛け金具で支えられないかとネットで捜しましたが、なかなか見つかりません。
BOSEのスピーカーを金具に固定するためのビス穴は本体の底板に開けられていて、背面には開いてません。いくつか見つかるスピーカー取付金具は、みな背面に取付けるタイプなのです。
後日、底板に取付られる金具が一つ見つかりました。でも考えてみると、その金具をスピーカーを取り付けても、3kgもの重量物を支えられる頑丈な支柱が結局必要となります。柱を補強する作業が大変だし見栄えが悪くなります。重いものを高いところに取り付けるのは我が家では無理。BOSE120と壁掛け金具の組み合わせでの高所取り付けは諦めました。
今度は小型スピーカーをネットで捜してみます。壁掛け専用で1kg程度のスピーカーは2種類あります。その一つはサイズ的にもかなり魅力的でした。フックに引っ掛けて取り付けできるので簡単そう。値段もまあまあ。ほとんどその壁掛けスピーカーを発注しかけました。
BOSE 小型スピーカーを取り付ける
しかし、ここで発想の転換。小さくて軽くてしっかりしたスピーカーがあればいいのです。もう一度自分の周囲を見回すと、適当なスピーカーが手元にありました。随分昔に買ったBOSEの簡易サラウンドシステムでメインスピーカーだったものです。サブウーファーなどは処分してしまいましたが、このスピーカーだけは残してありました。
NR1711サラウンドシステムを最初に組んだときに、このスピーカーの小ささが、ちょっとした隙間に置くのにちょうどよかったので、このスピーカーを7.1chサラウンドのサイドとして据えました。それが当たり前になってしまい、フロントハイトスピーカーの候補として思いつきませんでした。
でも後述のサラウンドスピーカーの見直し作業を経て、サラウンドスピーカーが充実できた今となっては、このBOSEの小型スピーカーをサイドに置く必要性はなくなってました。スピーカーの重量を測ると1kgほどです。そもそも壁取り付け用なので専用の金具が付属してます。これです!下の写真は取り付け終わった様子です。
専用の金具を柱にどのように固定するかが課題でしたが、とても上手くできました。取り付けたあとは、まるでフロントハイト専用のスピーカーが付いているように私には感じられます。
取り付け作業のあらましは、以下の”フロントハイトスピーカーを3点で柱に固定できました”の記事にしてあります。
サブウーファーの設置
サブウーファーはBOSE121とFOSTEX PM-SUBmini2を試しました。
BOSE121を試す
システムを最初に設置したときに、暫定的にBOSE121にサブウーファーの役割をさせてみましたが、本来の使い方ではありません。さすがに100Hz以下をしっかりと鳴らすのは力不足。というかそもそも無理な注文でした。
FOSTEX PM-SUBmini2を設置
専用のサブウーファーが欲しい。それで新たにサブウーファーを購入しました。FOSTEX PM-SUBmini2です。本体の外形寸法が20(W) x 18(H) x 23(D)cmで、とても小型です。
他の製品はどれも外形が30cm以上あって、我が家には置くスペースが見つかりません。随分昔にBOSEのサブウーファーを持ってましたが、持て余して廃棄処分でした。いまも我が家の状況は狭い。どのメーカーの製品もあい変わらずデカいまま。だれがこんなのを置けるんだろう?不思議に思います。メーカーは小型化へ発想を変えて、小型で迫力ある低音を出すサブウーファーの開発に向かうほうが良いと思います。
SUBmini2は買ってからしばらくは適当な隙間に置いてましたが、期待した低音が響かない。本体の後ろについている位相とか周波数のスイッチを切り替えてみたり、音量を調節してみたりしましたが効果なし。やはり置き方に問題があるのかな?
私は重低音をガンガン聴きたいわけではなく、音楽の低音パートがしっかりと響くのを聴きたいと思ってます。サブウーファーの向きはどこでもよいなどと書いてある記事がありますが、それは重低音のことではないのでしょうか。やはり切れの良い低音は聴く人の正面を向いている方がよいはずです。
そこで、サブウーファーを正面向きで耳の高さに置いて、しっかりと低音を聴きたいと思いました。死蔵してあったTAOCのスピーカースタンドを組み立て直して再利用してみたのが現状です。これは適度な低音が響きます。うまくいきました。
設置のようすについては”サブウーファーを置くのにスピーカースタンドを再利用する”の記事にしてあります。
サラウンドスピーカーの設置
サラウンドスピーカーは、その時の状況に合わせて、考え考えしながら段々と数を増やしていきました。スピーカーのアクティブアンプへのUSB電源供給方法も工夫しました。いろいろと試すのを楽しんできています。個別のスピーカーの様子の説明と電源駆動方法の工夫の説明をしていきます。
SR1,SL1(サイド):BOSE121
BOSE121の選択と配置は最初から変わってません。いい音で満足です。NR1711のサラウンドスピーカー出力端子から信号線をつないでスピーカーの入力端子に接続してます。
これらのスピーカーの信号端子を中継拠点にして、増設していったアクティブスピーカーへ信号線をつないでいきました。具体的にはSR1はSR2,SR3,SR4とそれぞれ接続し、SL1はSL2,SL3とそれぞれ接続します。
SR2,SL2(バック):BUFFALOのミニスピーカー
SR2とSR3は、DENONのRCD-N10レシーバーのサラウンド用に設置していたのをつなぎ替えました。
これらは普段ほとんど使いませんが、食卓で聴くとき(LP3)や自分の気分を盛り上げたいときなどに電源オンして鳴らします。
SR3,SL3(トップ):オリジナルアクティブスピーカー
SR3とSL3はDENONもRCD-N10レシーバーのサラウンド用に設置していたのをつなぎ替えました。
これらもほとんど使いませんが、にぎやかに鳴らしたい気分のときに電源オンです。
最初は市販のダンボール箱で作ったオリジナルケースに秋葉原で買ってきたスピーカーをセットしました。音量不足だったので、あとからネットで入手したアクティブスピーカー用のDIY用アンプを取り付けて完成させました。今見ると大げさすぎます。いつか小型のものに置き換えたいなと思います。
スピーカーのつなぎ替え
これまでの説明で、バックとトップSR2,SR3,SL2,SL3の各スピーカーは、RCD-N10からNR1711につなぎ替えたと説明しました。つなぎ替えた経緯を説明します。
最初はNR1711のZone2出力信号をRCD-N10のAUX入力にして、RCD-N10のサラウンドスピーカーのままで使ってましたが、使えるようにするまでの操作が面倒でした。いちいちNR1711のZone2用の電源スイッチをオンにし、かつRCD-N10の電源をオンにしなければなりません。
この操作をやまました。RCD-N10とつないでいた各スピーカーの信号線をはずして、SR2とSR3はSR1のスピーカー信号端子につなぎ替え、SL2とSL3はSL1のスピーカー信号端子につなぎ替えました。
これで、SR系統のスピーカー(SR1,SR2,SR3)にはサラウンド音の右信号が流れ、SL系統のスピーカー(SL1,SL2,SL3)には左信号が流れて、面倒な操作をしなくてもサラウンド音のステレオ再生が可能になりました。
SR4,SR5,SL4(サイド):Daisoのミニスピーカー
日中はパソコンの前で作業していることが多いです。LP1の場所でBGM的に音楽を聴くことが多いです。たまに部屋の中央のLP2でくつろぎます。それらのときに、音楽によってSR1とSL1のサラウンド音だけでは不足なときがあります。それをもっと音で包まれるようにするために、安価で小型で手頃なアクティブスピーカーを増設してきました。これらのスピーカーはかなりの頻度で使います。
パソコンに座って聴くとき(LP1)や、中央で聴くとき(LP2)のサラウンド音補強のためにSR4とSR5とSL4を増設してます。
SR1が高い位置にあるので足元にSR5を置きます。パソコンテーブルの右脇が引き戸で常時遮られていて音が響かないのを解消するため、引き戸の反対側にSR4を置きます。全体で右側のサラウンド音を補強しています。
SR4はパソコンテーブルと引き戸を挟んで反対にあったキャスター付きミニワゴンの天板の裏に粘着テープで固定して高さを合わせて設置しました。SR4の2つのスピーカーは向きを変えて取り付けて、引き戸の右側からの音を補強します。
SR5はパソコンテーブル下段の棚(足元)にチョイ置きして下からの音の補強です。
SL4の2つのスピーカーは向きを変えて自作のワゴンにちょい置きです。SL1の音に加えて部屋の左側からのサラウンド音を補強します。
以上がサラウンドスピーカーの様子でした。次は、サラウンドスピーカー内蔵アンプへのUSB給電の工夫の説明です。
サラウンドスピーカーの電源系統
SR2,SL2以降のバック、トップ、サイドの3系統は、アクティブスピーカーを採用しました。個別に音量を大きくしたり小さくして調節できるからです。
アクティブスピーカーにはそれぞれUSB給電が必要です。系統別に電源を独立させて、系統ごとの電源スイッチをオン・オフすることで、個別にスピーカーを鳴らせます。聴く場所(LP1~LP3)の位置で聴きやすくなるよう自由に組み合わせて鳴らすことができます。
これらの電源は更にその上流で一括してオン/オフできるようにしました。
タイマーを介在させて、設定した時間で電源が切れる仕組みも盛り込みました。電源切り忘れ防止で節電対策です。アクティブスピーカーの電源はよく切り忘れてしまうので。
使用したスピーカー
最後に、システムで使用するスピーカーの製品名をまとめて記した図を載せておきます。
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7.1chサラウンドを始めた頃の様子を書いた記事です