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はじめに:
20cmのスピーカーを段ボール箱で作ります。3度目の挑戦で、今回は段ボール紙を3層構造にします。前回の作成と同様に箱の重量を軽くして、大きなスピーカーの置き場所の自由度を広げます。
20cmスピーカーのようす
出来上がった20cmスピーカーの様子です。上に開いている長方形の穴はスピーカーダクトです。
箱の裏側の様子です。前回と同様に、ボルトとナットで裏蓋を固定しています。
内部の様子
スピーカー内部の様子です。
スピーカーのバッフル板の固定方法を前回よりも改善しました。
前回は表側のバッフル板を段ボール箱の内側から直接木ネジで固定しました。ネジを閉めると、ネジの頭が段ボール紙にどんどん食い込むので、あまり強く締め込めませんでした。
今回は木片を挟んで木ネジを閉める形に改善です。これだと表側のバッフル版と木片で箱の段ボール紙を挟み込むので、木ネジをしっかりと締め込むことができて、バッフル板を箱にしっかりと固定できます。
ダクトの様子
内部のダクトの様子です。
ダクトの開口面を5cmx13.5cmと大きめにしました。その結果ダクトの長さが20cmと長めですが、箱が大きいので問題なし。写真のダクトは23cmですが、先端を切り取って長さを調整します。厚紙なので工作が簡単にできます。
内部の補強
これまでと同様、裏蓋を閉める時に蓋が箱の中に落ち込まないようにするために、箱の内部の周囲に支えの紙片を貼り付けます。
さらに今回は、紙片の下側にも補強用の段ボール紙を貼り巡らして3層構造にしてます。
今回使用した段ボール箱は、重い書類が保存できる箱「書類保存箱」です。紙が2層構造になっています。その箱の内側にさらに段ボール紙を貼り付けたので、3層構造というわけです。
箱の仕様
参考までに、書類保存箱の大きさをメモしておきます。
外形は424mm x 302mm x 349mm
内部の寸法が411mm x 286mm x 319mm
以上で今回作った20cmスピーカーの説明は終わりです。
スピーカーの置き場所の工夫
つぎはスピーカーの置き場所の工夫についての説明です。オーディオラックに直置きするとスピーカー箱の振動がレコードプレーヤーに伝わって失敗でした。他にスピーカーを置ける場所は、ラックの右脇の狭いスペースだけです。
ここは、電子オルガンの上下を物置に使っている場所です。空いているのは整理棚の前面と鍵盤上の30cmほどのわずかなスペースです。最初は斜めになっている鍵盤上に、水平になるように緩衝材を置いて使ってましたが、どうにも具合がよくありません。
スピーカーは3kg弱程度の重さです。鍵盤上に水平に突き出ているテラスのような構造を作れないか?そこで必死に考えました。考察の順番はだいたい以下のとおりです。
- 整理棚を重しにして長い板を敷き、鍵盤上にテラス状に張り出させる。そのテラスにスピーカーを置く。テラスの幅は30cm。張り出す長さも30cm。
- 整理棚の幅は60cmあるので、テラスにする長い板の他にも整理棚の下に敷く30cmの板が必要。
- 整理棚の底板の厚みと同じ厚さの板をテラスの上にもう1枚置いてフラットにすれば、スピーカーを置く場所の余裕度が広がる。
こういったことを構想しました。下の図のイメージです。
最初は、100円ショップで厚さ6mmの薄い板を買ってきて試したのですが、2枚重ねにしても板がたわんでしまいます。強度が足りなくて失敗してしまいました。
手持ちの端材を探すと、幸運の女神が微笑んでくれました。厚さ2cmの希望にぴったりサイズの合板が保管してありました。出来上がったようすが下の写真です。
各部分に説明を加えました。
こうして出来上がったテラス状のスピーカー置き場に20cmスピーカーを置きました。
3kg程度の重さですと、板がたわむこともなく、整理棚にテコの力がかかるのもそれほど気にしなくて良さそうです。大きなスピーカーを安定して置ける場所が確保できました。
感想
最初の小さな箱での試作も含めて、これで3つの段ボール箱20cmスピーカーを作りました。
率直な感想は、段ボール紙では物足りないかなです。スピーカーの音量を少し上げると、共振でなしに箱が震えます。前面に出ていってほしい音のエネルギーがそれで失われてしまう気がします。
ただし、狭くて軽いものしか置けない場所に置いて、音の広がりを楽しむBGM的に音楽を流す用途には十分答えてくれます。
20cmのスピーカーを購入した当初は、低音の補強用にガンガン鳴らすことを夢見てましたが、それは夢のまた夢に終わりました。
今はDENONのRCD-N10ステレオシステムの右側フロントスピーカー(FR1)に使ってます。FOSTEXのFE166En16cmスピーカーを入れた自作スピーカー(FR2)とパラレルに接続して右側のフロントスピーカーとして使います。左側のフロントスピーカーはBOSE121(FL1)とBOSE125(FL2)です。個性の違うスピーカーたちが豊かな音の広がりを作ってくれます。