2つのFMアンテナでラジオがよく聴こえます

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よく聴こえなかったFMラジオ放送が2つのFMアンテナを工夫して設置することでよく聴こえるようになりました。そうなるまでの取り組みを紹介します。

東京FMを聴きたい

横浜市鶴見区の自宅で東京FMのラジオ放送を聴きたいと思ったのが、取り組みをはじめたきっかけでした。調べてみると、東京FMは東京タワーから電波が出ています。自宅は東京タワーからの電波が距離的にも方角的にも良好には届かない場所にあります。いろいろと試行錯誤をして、結局は東京都西多摩市の檜原中継局から電波を受けることで目的が達成できました。いろいろなFM放送も良好に受信できるようになりました。その取組を紹介していきます。

現在の受信状況

最初はよく聴こえる放送はほとんどありませんでしたが、取り組みの結果、いろいろなFMラジオ放送が良好に受信できるようになりました。

良好に聴こえるFMラジオ放送

各局のラジオ放送を10秒間録音してみました。内容はともかくとして聴こえかたを確かめてください。

InterFM(76.5MHz三ツ池送信所・横浜市鶴見区)
Nack5(79.5MHz飯盛峠送信所・埼玉県比企郡)
NHKFM(81.9MHZ円海山送信所・横浜市磯子区)
FM横浜(84.7MHz大山送信所・神奈川県秦野市)
東京FM(86.6MHz檜原送信所・東京都西多摩郡檜原村)
TBS(90.5MHz東京スカイツリー・東京都墨田区)
文化放送(91.6MHz東京スカイツリー・東京都墨田区)
RFラジオ日本(92.4MHz三ツ池送信所・横浜市鶴見区)

録音の様子です。スピーカーの前に置いたマイクロホンをUSB接続でパソコンにつなぎ、アプリ”Audacity”で録音しました。

マイクロホン:サンワサプライ製MM-MCU03BK

受信できている送信所と中継局

FMラジオの各放送局はそれぞれ送信所や中継局(電波塔)を使って放送しています。現在受信できている放送が送信されている場所をGoogle Mapにプロットして加工して作成した地図です。埼玉県の放送(Nack5)が聴けるのは嬉しい。

自宅からのおおよその距離を示しました。至近距離3kmの三ツ池送信所から、遠く60kmの埼玉県の飯盛峠まで、異なる方角からの電波が受信できています。

三ツ池公園の池の畔から見える送信アンテナの様子です。ちむどんどんウォークラリー(スタンプラリー)でスタンプをゲットしに出かけた際に電波塔が目に止まったので撮影しておきました。映像よりも実際はもっと高く見えます。ここからFM放送も送信されているなんて調べてみるまでは知る由もありませんでした。これだけの立派な塔が近くにあるので超良好にInterFMとラジオ日本のFMラジオ放送が聴けるんです、納得。

ノイズが目立つが受信できるFMラジオ放送

途中で途切れたりノイズが入りながらも受信できるラジオ放送を10秒間録音してあります。

東京FM(80.0MHz東京タワー・東京都港区)
J-WAVE(81.3MHz東京スカイツリー・東京都墨田区)
NHKFM(82.5MHz東京スカイツリー・東京都墨田区)
InterFM(89.7MHz東京タワー・東京都港区)
ニッポン放送(93.0MHz東京スカイツリー・東京都墨田区)

受信できないラジオ放送

一時的に受信できたり、受信できそうなのにできてないラジオ放送です。海を隔てた千葉県の放送が聴けないのは残念です。

BayFM(78.0MHz船橋三山送信所・千葉県船橋市) まったく感度なし。距離的に40kmぐらいは受信できそうなものですが、方角と途中の遮蔽物の関係でだめなのか、原因はよく分からりません。
BayFM(87.4MHz勝浦FM中継局・千葉県勝浦市) 感度を探っている最中に見つけました。50km程と遠隔地なのにアンテナの向きの加減ですこし受信できました。いまでも87.5MHzで受信機の表示では感度があるのに放送はまったく聴けません。不思議。
IBS茨城(88.1MHz高鈴山茨城放送日立FM中継局・茨城県常陸太田市) 150kmと遠隔地ですがアンテナの向きが合っていたときに受信できていました。今はアンテナの向きを別の方角に変えているのでまったく受信できません。

これまで紹介した送信所(中継局)の所在地を示すマップを作ってみました。遠くても受信できたり、受信できそうでできなかったりと様々。FMラジオ受信の不思議さと面白さかな?と感じます。

上の図はグーグルマップで作成したので横浜周辺のFM送信所のマップをクリックすればグーグルマップでも見られます。

その後受信できるようになったラジオ放送

(この項は2022/05/30の追記です)
BayFMが相当のノイズ混じりながらも受信できるようになりました。

BayFM(78.0MHz船橋三山送信所・千葉県船橋市)

ノイズに埋もれそうになりながらもなんとか聴き取れる。レシーバを手動で100KH刻みで探ってみるとアンテナの感度表示はないものの音が聴き取れる。オートモードでの受信ではキャッチ不能でした。さらにFMアンテナの向きをすこし変えて感度を上げたので、他のラジオ放送(東京タワーやスカイツリーからの放送)にノイズが交じるようになったが、受信できるラジオ放送が増えたほうが嬉しいので、アンテナの向きはそのまま固定することにしました。

その後受信できるようになったラジオ放送2

(この項は2022/06/11の追記です)
前回追記したBayFM(78.0MH船橋三山送信所・千葉県船橋市)向けにアンテナの向きをすこし変えた状態のまま固定してます。BayFMはノイズ混じりながら聴こえてます。

BayFM(78.0MHz船橋三山送信所・千葉県船橋市)

ところが、ニッポン放送(93.0MHz東京スカイツリー・東京都墨田区)がノイズだらけの断続状態、聴くに耐えないレベルになってしまいました。ほんとにFM受信の調整は微妙です。今日は曇り空。

ニッポン放送FM(93.0MHz東京スカイツリー・東京都墨田区)

ニッポン放送は中波(1242KHz)でそこそこ聴けるので良し。

ニッポン放送AM(1242KHz)

ところが、ところが、こんどはIBS茨城(88.1MHz高鈴山茨城放送日立FM中継局・茨城県常陸太田市)が復活。以前しばらく聴こえていたレベル以上で復活です。今日は曇り空。

IBS茨城放送(88.1MHz高鈴山茨城放送日立FM中継局・茨城県常陸太田市)

どうやら、空の雲の状態で受信状況が変わることがありますね。
アンテナの向きはこのままにしておきます。

受信アンテナ系の様子

ここからは具体的な取組内容を紹介していきます。FMアンテナや同軸ケーブルの引込の様子です。

FMアンテナは、日本アンテナ製の一素子FM専用アンテナ”AF-1-SP”です。一素子でコンパクトなんでしょうが、ベランダに取り付けると大きく感じます。

ベランダの物干し竿かけの2本の支柱にアンテナを取り付けました。アンテナの間隔は実測で2m20cmでした。

それぞれのアンテナから同軸ケーブル(4CFB)をエアコンのダクトを通して室内に引き込みます。

アンテナからの同軸ケーブルは混合器の入力端子に接続し、混合器の出力端子とブースターを同軸ケーブルで接続します。アンテナからの同軸ケーブルの1本には、位相合わせのために中継コネクタを使って同軸ェーブルを継ぎ足しています。

混合器は日本アンテナ製M-UUF-SP。
ブースターはHORIC HAT-ABS024。

ブースターからの同軸ケーブルを受信機のFM入力端子に接続します。
受信機:DENON RCD-N10 NETWORK cd RECEIVER

RD-N10背面の入出力端子周辺の様子です。

苦労し工夫した点など

ネット情報をあさりました。2本のアンテナを使って試行錯誤したのは前の記事”FMアンテナを2つ付けるとFMラジオはもっと聴けうかな”で書いたとおりです。

その後も、スタックとかQマッチングとか実践してみましたがよくわからないというのが実感。FM受信ではQマッチングは効果なしという記事もありましたしね。

スタックで失敗

スタックのつもりで2段重ねにしてみたら失敗でした。離して設置しなければ効果なしと解説情報には書いてありましたね。

T型コネクタとQマッチング用に50Ωの同軸ケーブルを作成してしばらく聴けていたんですが、そのうちに東京FM放送がひどいフェージング(断続的に何も聴こえなくなる)に悩まされるようになってしまいました。フェージングの原因が不良スタックなのかわかりませんが、アンテナを充分に離して設置するようにした現時点では東京FM放送のフェージングは起こらなくなりました。

空間ダイバシチ

ダイバシチという技術の内容を知り、その理論に沿って実践してみました。効果があったような気がしてます。
まず、空間ダイバシチの実践です。半波長以上距離を離してアンテナを設置すること。周波数が76MHz以上のFM放送では1.3m以上離せばよいことになります。ベランダの物干し竿の支柱間隔が2m以上あり、アンテナの間隔が2m20cmとれているので、条件を十分クリアーしていることがわかります。

角度ダイバーシチ

複数のアンテナを向きを変えて設置する方法です。
目的が東京FMを良好に受信することです。電波を探っているうちに東京タワーとは別の方角の電波をキャッチ。どこからかを調べてみると多摩地区などの難聴対策の中継局が檜原村にあることを知りました。東京タワーからの電波よりも感度良好で、有望です。

アンテナの一本を一番感度の良い方向に向けました。もう一本のアンテナも同じ方向に向けてみましたが、別の方角のほうが感度がいい。結果的に別な方角を向いた2本のアンテナを設置する事になりました。2つの電波を合わせると東京FM放送の雑音が減るはずです。いろいろなラジオ放送を良好に受信できることにも結びついたようです。

同軸ケーブルで位相合わせ

2つのアンテナから引き込んだ2本の同軸ケーブルの長さについて説明します。はじめは同じ位相になるような長さにしてました。それぞれの同軸ケーブルを1本ずつ混合器につないで東京FM放送が良好に受信できる方角を探ります。それぞれの方角を決めて、これでよかろうと2本ともに混合器につなぐと、あれ!放送がまったく受信できません!

位相がうまく合っていないのかな?

買ってあった3mの同軸ケーブルを中継コネクタで継ぎ足します。
東京FMが受信できます!1つのアンテナのときよりも若干よく聴こえるようになったみたい。

別の2.8mの同軸ケーブルに変えてみると、こちらのほうがさらに良い。

どれくらいの位相合わせか

よく聴こえるようになったので、継ぎ足した同軸ケーブルの長さの是非についてはそれ以上の追求はしてません。位相合わせができたとして、どれくらい位相をずらしたのか確認してみました。

周波数が86.6MHz(東京FM檜原送信所)なので、
波長は3.46メートル

同軸ケーブルの短縮率0.66(4CFB)を掛けると
1波長は3.46 x 0.66 = 2.28m相当になります。

同軸ケーブルの長さは1本が7.28メートルで
継ぎ足したもう一本の合計の長さが5.52メートルでした。
ケーブル長の差が1.76メートルとなります。

これが何波長分になるのかを計算すると、、
1.76/2.28 = 0.77

およそ3/4波長ずらして混合していることになります。

この計算が正しいかどうかはわかりません。自分だけで納得です。

同軸ケーブルの端末処理

4CFB同軸ケーブルは細くて端末処理がとても難しい。5,6個無駄にしてようやく要領がわかりました。

同軸コネクタとの接続

外部導体のアルミテープと錫メッキ網線の間にコネクタの円筒部分を割り込ませるんですね。アルミテープの内側に割り込ませようとしてうまくできていませんでした。要領がわかってからはすんなりと端末処理ができました。

アンテナとの接続

網線とアルミテープをバラけないようにしてアンテナの端末部に固定する必要があります。充分に接触が保たれているかに不安がありました。思いついてキッチン用のアルミホイルをテープ状に細く切って網線とアルミテープに巻きつけてから端末部に固定してみました。前よりも接触が良くなって挿入損失を若干でも減らせたはずです。

最後にちょっと感想

FM放送を送信している場所をひとつひとつ調べるのはとても楽しい作業でした。こんな遠いところからとかこんな方向から電波が届いているのかという驚きがありました。たくさんのFMラジオ放送が楽しめるようになって幸せです。

紹介した取り組みの内容はどなたにでもオススメできるものではありません。それなりに強い電波がたくさん届いているのに周囲の環境のためにうまく受信できていない場合の対策になるのかと思います。

やってきたことは、FM放送の電波を直接受信できない環境での苦し紛れの対策かもしれないと自分でも思います。どの作業が効果があったのかも実はよくわかりません。でも結果が良ければすべて良しではないでしょうか。これから周りの環境が変われば聴こえ方が変わってくるでしょうが、そのときはその時です。

無駄になった材料も買ったので1万円あまりの出費です。時間はずいぶんかけました。この分野に興味があり、なにかやってみたい方には参考になるかもしれません。

おもな参考文献

Qマッチング技術とかいろいろなネット情報を参考にさせてもらいました。ここでは挙げませんが、ありがとうございます。
6章ダイバーシチ技術 4群(モバイル・無線)-1編(無線通信基礎)
電子通信情報学会2010「知識ベース」4群-1編-6章<Ver.1/2010.11.09>

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