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はじめに:
小型スピーカーボックス制作で2回めのチャレンジです。100円ショップで入手した紙の箱(紙BOX)にスピーカーを取り付けて鳴らします。箱の大きさは1回目に作ったスピーカーボックスより小型で、しっかりと音を出します。制作過程を振り返ってみます。
出来上がりの様子
組み立てたスピーカーの外観です。右側に置くスピーカーと、左側のスピーカーです。
下の写真は、制作したスピーカーを、視聴するために我が家のオーディオ環境の空きスペースに置いたようすです。ケースの色が青なので目立ちます。オーディオ装置を挟み込む形で、耳の高さに近い場所です。DENONのRCD-N10レシーバーのスピーカー出力端子に直接スピーカーコードをつないで試聴します。
CDで音楽をかけて試聴してみると、中高音がスッキリと出ており、低音も出ます。ラジカセかそれ以上といった臨場感も感じます。箱に触ってみるとブルブルと震えていて、これが箱鳴りなのかな?と実感しました。紙の箱にスピーカーを取り付けただけの状態なのに、ちょっとびっくりして感動しました。
制作過程
このスピーカーは主に3つの過程で制作しました。
- 設計
- 紙BOXの穴あけ
- スピーカーの取り付け
設計
購入した紙BOXの様子です。青色のバスのイラストで飾られています。本体に上蓋(うわぶた)が被さる(かぶさる)構造です。
スピーカーを上蓋に取り付けるか、それとも本体の底に取り付けるかで迷いました。スピーカーは、穴あけをするときに破れにくそうな底板に取り付けることに決定。
スピーカーを箱に取り付けるのに、中心に直径約94mmの丸い穴と、周囲に直径3mmの穴を4箇所開けます。下の写真は穴を開けたあとの様子です。
94mmの穴の寸法は、ノギスで実測しました。この寸法を正確に割り出すことが成功の秘訣です。大きすぎると、スピーカー取り付けたあとで空気が漏れますし、小さすぎると、穴を広げるための面倒な追加作業が発生します。
ノギスを持ってない場合はどうするの?
それはスピーカーの表側で測ります。下の写真の黄色の線長で良いはずです。上の写真で見ると左右外周の最初の段差の分だけ、スピーカーの外形よりも穴の直径を短くします。どれくらい短くするかは、実際に試してないのでわかりません。試してみる方は自己責任でどうぞですね。ま、失敗して穴が開きすぎても、紙BOXひとつは110円の損失なので、その点が気楽かも。
紙BOXの穴あけ
最初はキリで4つの穴あけです。箱の周囲の3方から少し(紙BOXの紙の厚み以上)均等に離してにスピーカーを置いてから、穴あけの中心にマークします。
マークしたところにキリで穴を開けていきます。キリで開けた穴の直径はたまたまですが、3mmぐらいでした。
次は94mmの孔を開けるためのセンター出しをします。4つの穴をそれぞれ対角線上に結べばセンターです。センターにもキリで穴あけしますが、細いピンが通るくらいのごくごく小さな穴にとどまるように力を加減して開けます。
このセンターの穴を中心にして、半径約47mmの穴を開けていきます。
コンパスを持ってないので、まず自在錐(じざいきり)を兼ねるコンパスを即興で準備。材料は他に適当なものがなくて割り箸を選びました。保管中のカーペット鋲(びょう)大サイズも使います。カーペット鋲を割り箸の端から2cmぐらいと、そこから47mm離れたところに突き刺します。割り箸が割れてしまわないように、キリでそっと割り箸の2箇所に小さく穴開けしてから、鋲を突き刺しました。
これを使って穴の輪郭の印をつけていきます。センターの穴に自在錐の鋲(びょう)を差し込んでセットし指で抑えます。
もう一つの鋲を押し付けながら時計方向に回転させていきます。
印をつけ終わりました。
これから穴あけをしていきます。制作したスピーカーの1台目では、この自在錐を何回も無理やりにゴリゴリ押し回して穴あけをしました。箱が厚紙でできているために、相当な力が必要で疲れました。
2台目のスピーカーでは、ゴリ押しはあきらめて、カッターで少しずつ切り進んでいきました。この方法が正解のようですが、一度にたくさん切ろうとしてはいけません。1度に5mmぐらいずつ押し込みながら切り進めます、我慢強く作業を続けます。
下の写真は、カッターで切り進める様子です。表面の紙はところどころ剥がれますが、中までは破れないように慎重に作業します。
開け終わりました。ご苦労さま。紙の厚さを測ってみると2mmありました。ダンボールのような隙間がなくて、しっかりと中身も詰まってます。正真正銘の厚紙です。切り取るのが大変だったわけです。これくらいの強度だと薄いベニヤ板と変わらないかも。
スピーカーの取付
あとはスピーカーの取付です。まずスピーカーを箱の外側から穴にはめ込みます。4つのビス穴の位置を合わせます。
3mm x 12mm のビス・ナットとワッシャー入りのセットを、ホームセンターで買ってきて取り付けました。ワッシャーはビス側とナット側の両方に1枚ずつはさみます。ビスは箱の表から通します。
裏側でナットで締め付けてスピーカーを固定します。スピーカーの信号端子にスピーカーケーブルをからげて接続。試聴なので、ケーブルは端子にからげただけにしておきます。
紙BOXの上蓋は、スピーカーケーブルを挟み込んだ状態で箱の本体に被せます。上蓋と本体をのりづけなどしません。これで組み立てはおしまい。スピーカーケーブルのもう一方をレシーバーのスピーカー出力端子に接続して、試聴です。
試聴してみる
CDでポップス系の音楽を聴いてみました。中高音は明るく軽やかで、低音もそれなりです。むかしよく見た、手でぶらせげて持ち歩く、ポータブルカセットテーププレイヤーの音と同等ぐらい。箱が気持ちよく震えています。これが箱鳴りでしょうか。BOXの中に吸音材とか入れなくても、密閉しなくても、このままで行けそうな印象を受けました。
以上が、一回目に作ったダンボールスピーカーの置き換え用に作ったスピーカーの製作記事です。新しい小型スピーカーを新しい箱に入れて鳴らす段階までの作業の内容をまとめました。
試した材料
新しく購入した主な材料について補足しておきます。
紙BOX
DAISOのPAPER BOX 紙BOX(車柄、4サイズ)
サイズは小です。上蓋が本体より大きいので、おおよそ20(W)x11(D)x10(H)cmぐらいです。
100円ショップを何軒も回ってようやく見つけた、私が希望していた最適のサイズでしたが、紙製なので、どの程度鳴ってくれるかは不安でした。
実際に使ってみて感じたことですが、紙の厚みが2mmあって頑丈な作りです。作りがしっかりしている上に、底板側にスピーカーを取り付けた判断も功を奏したと思われます。もしも上蓋に取り付けたらば、本体全体がスピーカーの振動に合わせて震える箱鳴りは望めなかったでしょうから。
スピーカー
北日本電子製です。品番はF02710H0だと思います。ネットでこれを使った試作記事を見て、自分も試したくなり秋葉原で買ってきてました。1,2ヶ月放置でしたが、他の記事を書き終えて、今回は満を持して制作に取り掛かりました。
主な仕様は、
- 口径10cm
- 入力インピーダンス:8Ω
- 定格入力:10W
- スピーカー本体重量:130g
他に試した箱
箱を捜して周辺のお店を随分と見て回りましたが、大きすぎたり小さかったりで、なかなか自分が思い描くサイズの箱はありませんね。それでようやく見つけた、サイズ的にはぴったりだったプラスチック(ポリプロピレン)ケースも試しました。
大きな穴あけが厚紙の時より更に面倒で、自在錐で円の印だけはつけられましたが、カッターでも全く刃がたちませんでした。キリで円周に沿ってなるべく隙間なく穴あけをしてから、ニッパーで穴と穴の隙間を切り進める作業なので大変でした。紙の箱での作業よりも数倍汗をかきました。キリで穴あけするときに、つい力を入れすぎてプラスチックにヒビが入るのも面倒です。
下の写真は、苦労して切り取った穴の部分のプラスチックの破片です。
穴あけをようやっと終え、スピーカーを取り付けて鳴らします。よく鳴ります。これもいいかも。
紙製ケースのスピーカーを右に置き、左に置いたプラスチック製ケースのスピーカーと聴き比べ。紙製ケースと比べると、プラスチック製はケースが軽すぎるせいか、音がなにか物足りません。詰め物をして重くするとか、さらなる工夫が必要となる予感がしました。
追加の作業や穴あけの労力を考慮して、プラスチックケースでの追求は見送ります。それから2台めの紙製BOXスピーカーの制作に取り掛かりました。以上が関連情報です。
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こちらは1回目に自作したダンボール箱スピーカーの記事です。