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はじめに:
ステレオアンプにスピーカーを2台追加して自分の左右の横に置くことで、ステレオ感が強調できました。手頃なスピーカーが手に入れば試すことができます。
私はRCD-N10CDレシーバーでいろいろな音楽を楽しんでます。スピーカーを2台置いてステレオで聴くだけでは物足りなくなり、パソコン作業で日々を過ごしている私の部屋で、もっとステレオ感を強めて音楽を聴きたいと思いました。自分でできる改善を自分で(DIYで)進めます。前回の”ダンボール箱のスピーカーを作ってみました”の記事では頭上に追加するスピーカー自作しました。今回は側面にもスピーカーを追加してみます。控えめな音量でも音に囲まれた雰囲気をつくることを目指していきます。音の聴こえ方をいろいろと実際に録音して試聴できるようにしてあります。
背景
以前はすこしでも良い音、純粋な音を鳴らして聴きたいと考えていました。その気持ちに変わりはありませんが、ある部分ですこし変わってきました。
テレビの音を近くで聴ける手元スピーカーを買ったときからです。
TVを買い替えたら、画面は大きくなりましたが音は聴こえにくくなりました。ボリュームを上げれば聴こえますが、それではうるさい。手元スピーカーのおかげで、すこしの音量でも明瞭に聴こえるようになりました。
その時にふと思いました。オーディオでも同じ。自分の近くにスピーカーを追加すれば、もっとよく聴こえるのではないかと。
オーディオの世界では、スピーカーをふたつ置いたらその間隔を底辺にした正三角形や二等辺三角形の頂点に音がよく聞こえる場所ができると教わります。そのために慎重にセッティングします。
それでは頂点でない場所だとよく聴こえないのか?答えはイエスなんですね。限られた場所でしか良い音が聴けない。ここで良い音というのは制作者が意図したとおりに再生(復元)するという意味ですが、音量もそれなりに上げる必要もあります。真面目にやればやるほど、なんか固くるしくて疲れます。
一方でサラウンドシステムという発想が昔からありました。複数のスピーカーを自分の周りに置いて聴くシステムです。私も実はBOSEのサラウンドシステムをずいぶんと前に購入したことがあります。ウーファーの入れ物が大きくて重く、その奥行きが確か40cmもあって置き場所に困りました。低音は響きますがボンボンとうるさい。何よりも前後と後ろ左右のそれぞれのスピーカーへの配線が面倒でした。ガンガン鳴らさないとサラウンドが実感できないし、周りを気にしなければならないほどにうるさくなります。期待ほどの効果が得られなくて使うのをやめてしまったと記憶してます。装置を全部捨てるのはもったいないのでメインスピーカーだけは残してありました。以前の記事”BOSEの製品をざっとおさらいしてみる“で当時を振り返ってます。
今でもホームシアター用として豪華なサラウンドシステムが販売されています。技術が進歩したので、高級なシステムでは理想の音が以前よりも簡単に聴けるようです。でも、大音量のオーディオシステムは私には宝の持ち腐れですし、金銭的にも物理的にも今のところは買い替えられません。
わたしは手持ちのシステムにすこし手を加えて活用したい。手軽に気楽に音に囲まれ、どの場所にいてもそれなりに良い音が聴こえるようにしたい、そう思いました。以上のいきさつがきっかけでチャレンジする目標ができました。
部屋の様子
散らかっていて恥ずかしいのですが、私が日常過ごしている部屋の様子をお見せします。
パソコンのキーボードを叩きながら、ラジオ放送や様々な音楽をたまにBGMにしてます。
ちょっと疲れたらパソコンから離れて、そばに置いた座椅子に寝っ転がって手足と腰を伸ばします。
目を休めたり、テレビの録画放送をチラミしたり、真面目にオーディオで音楽を楽しんだり、くつろぎます。
部屋の見取り図です。
図の記号について説明します。
パソコンが置いてある場所(PC)、ダイニングテーブル(table)、テレビ(TV)、オーディオ装置(AMP)。いろいろな場所に置いたスピーカーはF,S,B,W.tvの記号で示しました。私が音楽やラジオなどを聴く場所はニコニコマークのところです。
実際に聴こえる音楽の例
いろいろと試行錯誤をして作り上げた”マイサラウンドシステム”(たったいま名付けました)の音です。PCの近くにマイクロホンを置いて録音しました。30秒ほどと短いので聴いてみてください。
マイクロホンはサンワサプライ製MM-MCU03BKで、USB接続でパソコンに繋ぎ、アプリ”Audacity”で録音しました。
各装置の様子
オーディオ装置とフロントスピーカーとTV
DENONのRCD-N10がメインの装置です。RCD-N10については、別の記事”ネットワークレシーバーRCD-N10を買いました”で詳しく説明してます。
スピーカーはFOSTEXのFE166NVをバックロードホーンエンクロージャに収容(記号Fで表記)。FT17Hツイーターを上に置いてます。FE166NVについては、別の記事”スピーカーをFOSTEX FE166EnからFE166NVに取り替えました”で詳しく説明してます。
サイドスピーカー
記号Sで表記。BOSEの昔のサラウンドシステムのメインスピーカーを流用。適当なスペースを見つけて置いてます。
バックスピーカー
スピーカーは秋葉原で買ってきたAR-7。だんすぴ(ダンボールエンクロージャ)を自作して鴨居に取り付けました。前の記事”ダンボール箱に入れたスピーカーを自作しました”で制作の様子を詳しく書いてます。
各スピーカーへの配線
簡易な接続です。安易と言っても過言ではありません。一言でいうとスピーカーの数珠つなぎです。
RCD-N10アンプのスピーカー出力端子とFE166NVスピーカーの入力端子を3mのスピーカーコードで接続。そのスピーカー入力端子にFT17HもRCネットワークを介してケーブルで接続します。
FE166NVスピーカー端子から5mのスピーカーコードでサイドスピーカーのBOSEの入力端子に接続します。
その入力端子にさらに5mのスピーカーコードをつないでAR-7バックスピーカーに接続します。
文字通りの数珠つなぎ。最初は恐る恐るでしたが、サイドスピーカーを接続しても特に問題なく聴けてたので、最近になってバックスピーカーを接続してみました。
アンプのスピーカー出力端子に4台のスピーカーをただぶら下げている構成なので、各スピーカー個別の音量調節などは一切できませんが、サイドとバックはそれぞれほどほどの小音量で鳴ってくれてます。この辺は成り行き任せで実にいい加減です。
サブウーファー
BOSEのModel121Vスピーカーを使いました。ウーファー用ではありませんが有効活用。BOSE121,125,120の3セットが保管してありますが、その中で121が大きすぎず小さすぎずサイズ的にぴったしでした。”FOSTEXスピーカーの聴き比べ”の記事に3セットの写真を載せてます。
サブウーファー用アンプ
RCD-N10から出ているサブウーファー用の信号がとても小さくて、サブウーファーを鳴らすのに苦労しました。適当にその辺のアンプをつないでも何も聴こえてきません。RCD-N10から信号が出てないのかと疑いました。どうも微小信号(ゼロコンマ1ボルト以下のレベル?)のようです。プリアンプとメインアンプの2台をつなぎ、それぞれの音量ボリュームを最大にしてから、ようやく低音が響きました。低音の音量はリモコンで変えたいので、プリアンプとメインアンプの間にリモコン付きプリアンプをはさむ全部で3台の構成になりました。
RCD-N10のサブウーファー用出力は一系統ですが、アンプの片方のチャンネルを使わないで遊ばせておくのはもったいないと思い、2分岐のRCAケーブルを使ってプリアンプの左右の入力端子につなぐことで、ふたつのサブウーファーを鳴らすようにしてみました。
とにかく鳴らすことだけを目的に構成したサブウーファーシステムです。リモコン付きプリアンプの音量レベル表示は0から100までですが、通常は90、響かせたいときは100のフルにするとやかましいくらいにはなります。とりあえずは満足の範囲です。
- プリアンプ:AIYIMA TUBE-A3真空管プリアンプ
- メインアンプ:TRK-3488真空管アンプ
- リモコン付きプリアンプ:Nobsound PGA2310
手持ちの装置の活用したとはいえ、TRK-3488をウーファー専用にしてしまう豪華なラインナップです。3台ともRCD-N10をメインの装置にしてからは使わなくなってましたが、これからは低音を補強して聴きたいときに電源を入れます。たまに使えば装置の故障予防になるかとも思います。
2分岐のケーブルは他のRCAケーブルも試してみたいとか、サブウーファーを一つだけにしたほうが良いのかどうか?、専用のプリメインアンプを今後購入して試してみるか?などは今後の課題にしておきます。
聴いてみた感想
サイドスピーカーとバックスピーカーを追加してみて
フロントスピーカーだけのときはふたつのスピーカーを底辺にした二等辺三角形の頂点で聴かないと臨場感が味わえない。そんなわずらわしさがありました。いまは聴く場所を意識しなくてもいろいろなところからの音を感じられます。左とか右に偏って鳴らされる音源ではびっくりするところから音が聴こえてきたりするので楽しい。普通の音量にしておけば、椅子に座っていても、座椅子に寝っ転がっていても、部屋の中を移動しても、どこかのスピーカーから音が聴こえてきます。音に囲まれている感じなので希望通りになりました。
サブウーファーを追加してみて
ほどほどの低音の心地よさを体感できます。ピアノの左手の鍵盤の響き。弦楽器による低音部の下支えなどがよく聴こえてきて、ああ、今までは音楽の一部しか聴いてなかったんだなと感じることさえあります。オーディオを楽しむぞというときはサブウーファーを鳴らせばその効き目は素晴らしいです。諦めないで頑張って試してみてよかったと思います。
音楽を聴いてみてください
甘茶の音楽工房さん提供のフリー音楽3曲が聴けます。
「オマージュ」~モーツァルト風のアレグロ |
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「オマージュ」~バッハ風の無伴奏プレリュード
夏色のキャンパス
マイクロホンの位置は、フロントスピーカーから1.8m離した高さ1mの場所。スピーカーは全部使ってます。サイドスピーカーは左右(若干前より)、バックスピーカは後方に0.5mで高さ2mに設置してます。
構成の違いで聴き比べてください
1つの楽曲をフロントスピーカだけの録音、サイドとバックスピーカーも鳴らした録音、さらにサブウーファーも鳴らした録音の順に、20秒から30秒ほどの長さで曲を続けて聴けるように編集しました。
イヤーフォンやパソコンのスピーカーでは違いはわかりませんでした。録音したファイルをハードディスクに落としてRCD-N10で再生。全部のスピーカーを使って聴いてみてやっと違いが分かるくらいの録音です。ほとんど同じにしか聴こえないかも?なので、興味があればどうぞ。
フロントだけのときは前からのくっきりとした音、サイドとバックを追加するとひろがりのあるまろやかな音、サブウーファーを追加すると明らかに低音が伸びた音、それぞれ違いがあるんですけど、マイクを通した録音の再生では充分に伝えられないのが残念。
「オマージュ」~モーツァルト風のアレグロ |
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「オマージュ」~バッハ風の無伴奏プレリュード
夏色のキャンパス
録音方法による制約
使用したマイクロホンの特性は単一指向性で前からの音だけを拾います。周りからの音は拾わないようになっているので、今回の測定には不向きなんでしょうが、耳の位置に近いところにおいて録音したので、実際の聴こえ方に近い感じではありました。5割ぐらいは再現できているかなという感じです。前のスピーカーだけのときは音がくっきりとしてますし、サイドやバックにスピーカーもつないで鳴らしたほうが前に置いたスピーカーだけのときよりも音が広がって聴こえます。サブウーファーをつなぐと耳で聴こえる以上に低音を拾ってました。その雰囲気を感じてもらえたら幸いです。
最後に
今回ご紹介した内容は、たまたま自分の環境で満足できる結果が得られたということです。ほかの装置での再現を保証するものではありません。
スピーカーケーブルを数珠つなぎにするのは邪道な使い方。アンプに過大な負荷を与えたり、万一スピーカー端子をショートさせるとアンプが故障してしまうかもしれませんのでご注意ください。
この記事で伝えたかったのは、記事のはじめのところで”背景”で書きましたが、小音量で音に囲まれる環境を自分が満足できるレベルで作ることを目指してみて、その目的がとりあえず実現できたみたいだよということです。お金をかけずに自分の思うように趣味にチャレンジできるのはしあわせです。興味を持ってチャレンジ!毎日の生活を楽しみます。
RCD-N10CDレシーバーを使いこなす関連記事
RCD-N10ネットワークCDレシーバーで聴く音をもっと楽しみます。今回の作業でRCD-N10CDレシーバーによる疑似サラウンド化ができたので、つぎの”NW CDレシーバーを使いこなして楽しむ”の記事ではこのレシーバーのあたらしい使い方をまとめます。