はじめに:
リモコンが付属しない真空管メインアンプにリモコン付きのプリアンプを追加しました。音楽を聴いている場所から自由に音量ボリューム操作ができて便利になります。
真空管メインアンプとスピーカーシステムでいろいろな音楽を聴いてます。低音強化を試してみたり、CDプレーヤーとレコードプレーヤーの信号レベルの差を合わせるためにプリアンプを導入し、今回はリモコン付きプリアンプを追加しています。いろいろな媒体の音楽が手軽に聴けるようになりました。新システムとして一応の完結をみたので、これまでの真空管アンプシステムを変化を振り返り、内容を整理してまとめます。
新システムについて
下の写真がリモコン付きプリアンプを追加した真空管アンプシステムのようすです。上からレコードプレーヤー、CDプレーヤー、3台のプリアンプ、そして真空管アンプを、ラックの中とラックの上に収めています。3つ並べたプリアンプの左端でオレンジ色の数字が見えるのが今回追加したリモコン付きプリアンプです。

システムの構成を図1[システムの機器構成]で示しました。図のほぼ中央のPamp3がリモコン付きプリアンプです。

新システムで実現できたこと
- CDやレコードのいろいろな音楽を真空管アンプで手軽に楽しめる。
- 再生する音楽の低音や高音の音質を調節できる。
- CDやレコードの音楽はUSBメモリーに収めてあり音楽はリモコンで選べる。
- 音楽の再生音量をリモコンで操作できる。
新システムで実現できた上記の項目は、一度で達成したのではありません。以下で新システムを構築していくまでの真空管システムの変遷を振り返ります。
初期の真空管システム
ずっと使っていた初期のシステムでは、CDとレコードはそれぞれのプレイヤーで再生し真空管式アンプとスピーカーを経由して音楽を聴きます。真空管式アンプの柔らかで豊かな音楽が楽しめます。
初期の真空管システムの構成
図2[初期の機器構成]で初期のシステム構成を示しました。

各装置を紹介します。
Mamp:Triode TRK3488 amp
トライオードの真空管プリメインアンプTRK3488です。

RDPlay:Audio Technica AT-PL300
レコードプレーヤーはオーディオテクニカのAT-PL300です。

CDPlay:Marantz CD-6006
CDプレーヤーはマランツのCD-6006です。

初期のシステムで気にかかっていたこと(課題)
- CDやレコードの音楽を楽しむためには、いちいちCDやレコードを取り替える手間がかかります。
- その時の気分によってもう少し低音を強くしたいとか音質を変えてみたくなります。
- 再生音量を変えるにはメインアンプのボリュームを手で回して調節します。音楽を聴いている場所からリモコンで操作したい。
- レコードプレーヤーとCDプレーヤーからの出力レベルが異なります。レコードプレーヤーの出力は小さく、CDプレーヤーの出力はかなり大きい。プレーヤーを変える都度、メインアンプの再生ボリュームを大きくしたり小さく調節する手間がかかります。
初期のシステムで気にかかっていたことを、試行1、試行2という形で順番に解決していきます。
試行1:プリアンプ2台の導入
最初に、再生する音楽の音質や音量を調整できるようにしてみました。
プリアンプを2台購入し、接続をつなぎ替えたりして再生音量や音質を試しました。低音や高音の音質の調整が適度にできるようになりました。音質そのものも悪くはなりませんでした。図3[試行中の機器構成1]のPamp1とPamp2の部分です。この構成についての説明は”プリアンプ2台でパワーアンプの入力レベルを合わせる”をご覧ください。

以下は図3[試行中の機器構成1]でのPamp1、Pamp2の機器のようすです。
Pamp1:6J1 preamp
AIYIAMA 6J1 プリアンプです。

Pamp2:FX-AUDIO TUBE-03J+
FX-AUDIO TUBE-03J+プリアンプです。

試行1-2:CDとレコードの音楽をUSBメモリーに格納
試行1の2台のプリアンプの導入と並行して、USBメモリーを利用するようにしました。
数百枚のCDとレコードの音楽を2つのUSBメモリーに格納しました。USBメモリーをCDプレーヤーに装着してCDプレーヤーのリモコンでUSBメモリー内の音楽が選べるようになりました。
図3[試行中の機器構成1]でのusbmとrctl1の部分です。
試行1で実現できたことと、まだできてないこと
初期のシステムで気にかかっていたこと、課題の1から4のうちの課題1,2,4が解決できました。
課題1のCDやレコードのいろいろな音楽を真空管アンプで手軽に楽しめるは、USBメモリーニス多くの音楽をダビングして解消です。
課題2の再生する音楽の低音や高音の音質の調整は、プリアンプをプレーヤーとメインアンプの間に挿入することで実現しました。
課題4のCDプレーヤーとレコードプレーヤーの信号レベルに差がある問題は、2台のプリアンプでパワーアンプの入力レベルを合わせるで解決しました。
課題3のメインアンプの再生音量をリモコンで操作することがまだ解決できていません。
試行2:リモコン付きプリアンプを追加する
リモコン付きプリアンプを追加で購入し、メインアンプへの入力レベルをリモコンで調節できるようにしました。この試行で新システムの完成になります。
図4[試行中の機器構成2]でのPamp3とrctl2の部分です。

以下は図4[試行中の機器構成2]でのPamp3のようすです。
Pamp3:Nobsound PGA2310
Nobsound PGA2310 リモコン付きプリアンプです。CDプレーヤーとレコードプレーヤーの切り替えができ、再生音量の調節がリモコンでできるようになりました。

左のリモコンはCDプレーヤー操作用でCDの選曲に使います。
右のリモコンがPamp3操作用です。

各機器の入出力レベルの調節
新システムでの全体的な調整について、簡単に触れておきます。プリアンプなど各機器のボリュームのつまみを以下のように調節して、聴きやすい音量にします。
- レコード側の出力が小さかったので、Pamp1の出力レベルを最大にします
- Mampの音量ボリュームを時計の針の11時ぐらいに合わせます
- Pamp3の音量ボリュームを80に設定します
- CD側の出力をレコード側の出力レベルに合わせます。Pamp2の音量ボリュームを時計の針の11時ぐらいに合わせます
こんな感じで、システム全体の調整が終わりました。
試行2で実現できたこと
Pamp1とPamp2の出力レベルを合わせておき、Pamp3の出力レベルをリモコンで操作することで問題解決です。初期のシステムで気にかかっていたこと(課題)3のリモコンで音樂を選曲することと、課題4のリモコンで音樂の再生音量を操作できることが実現できました。これで気にかかっていた課題は全て実現できました。
新システムの機器構成
新たにまとめたシステムの機器構成を図5[最新の機器構成」で再掲します。

まとめ終わっての感想
普段はUSBメモリーの音楽を小さめの音量でかけっぱなしにして聴いています。
収録した音楽の中には、音量レベルの大きいものも小さいものも混じっていますが、その都度手元のリモコンで音量調節ができるので便利です。気分によって、音を大きくしたいときにも即応できます。
気分によってレコードそのものから直接音楽を聞きたいときは、レコードプレーヤーの演奏が聴ける接続がしてあります。新しいCDをすぐに聞きたいときには、CDプレーヤーにCDをセットすればCDから直接音楽が聞けます。
USBメモリーの音楽はいちいちメディアの出し入れ不要なのが便利。レコードやCDで直接音楽を聴くのは音楽そのものを楽しめる感じがします。どちらもよいですね。

プリアンプを2台システムの中にはさむことで音質の劣化の不安がありましたが、基本的な音質は悪くなりません。すっきりした音とか立体感は健在です。不安は杞憂に終わりました。
以前は真空管アンプのボリュームは時計の針の8時とか9時ぐらいのところでしか聴けてませんでした。プリアンプを入れた分だけ真空管アンプへの入力音量レベルは小さくなるので、その分だけ真空管アンプのボリュームを上げて対応することになります。その結果、真空管アンプTRK3488の本来の性能が発揮できるであろう、時計の針の11時ぐらいの音量レベルでふだん聴けるようになりました。
低音や高音の補正ができて、USBメモリー内の音楽をリモコンで選曲し、再生音量もリモコンで調節が可能になりました。好きなだけ音楽を流し続けられます。CDやレコードをいちいち取り替えなくて音楽が聞けるのがこんなに楽だったとは……。
以上のように新システムにまとめてみました。




