Table of Contents
はじめに:
20cmのスピーカーを容積40L(リットル)の段ボール箱に取り付けたようすを紹介します。大口径のスピーカーのゆったりした響きが感じられます。段ボールの強度を増す工夫をしていますが、とても軽くすることできました。狭く重いものが置けない場所に大きなスピーカーを設置するための工夫です。
20cmスピーカーのようす
これまでに10cmスピーカーと16cmのスピーカーを段ボール箱に入れて鳴らしてます。今回は20cmスピーカーを段ボール箱に入れます。
組み立てた40Lの段ボール箱入の20cmスピーカーを床に置いてます。下で四角に空いている小さな穴はスピーカーダクトです。
口径12cmのサブウーファーが右斜め上(黄色矢印)に並んでいます。スピーカー口径の違いがわかります。
20cmスピーカーを左斜めから見た様子です。スピーカー本体は木製のバッフル板に取り付けます。バッフル板を段ボール箱に固定してます。
右からみた様子です。段ボール箱の裏蓋をビニールテープで留めてます。箱の中を開けたいときは、ビニールテープを剥がします。
後ろから見た様子です。普通の段ボール箱にしか見えませんよね。
20cmスピーカーの強度を増すための工夫
今回スピーカーを入れた箱の特徴を説明します。箱の強度を増すために二重構造にしてみました。
段ボール箱のサイズは幅46 x 高29 x 奥行31(cm)です。箱を縦長の方向に立てて使います。置き場所の関係で幅を30cm以下にしたかったので、スピーカー本体は箱の側面に取り付けることにしました。直径20cmの丸穴を開けます。
穴の直径が18cmではないのは、スピーカー本体がすでにバッフル板に取り付けてあり、バッフル板を箱に固定する際にスピーカー本体全体がこの穴にすっぽりはまり込むようにするためです。最初は18cmの穴を開けてましたが失敗。直径20cmの穴に広げ直しました。
段ボール箱の強度を高めるために、同じサイズの箱を2つ重ねて使います。箱の一つはもう一つの箱の中にすっぽりと収まるように加工します。
内側に入れる箱はいったんバラして、段ボールの紙の厚さ5mm分だけ全体に小さくなるようにしています。そのために余分なところは切り取り、組み立て直してから入れてます。外側と内側の段ボール箱が重なるようにして2重構造の箱に仕立てます。これで箱の板厚は1cmになりました。
内側の段ボール箱にも直径20cmの丸穴をカッターナイフで開けました。
ダクトは7cm四方の角穴です。スピーカーの振動板面積の20%相当にしました。
スピーカーを30cm四方サイズのバッフル板に取り付けて、スピーカーを丸穴にはめ込みます。段ボール箱の内側から木ネジを通してバッフル板にねじ込んで固定します。
スピーカーダクトは段ボール紙で7cm四方の筒を作ります。筒の長さは6cmにしました。
再び20cmスピーカーを床置きした様子です。バッフル版のサイズが30cmで段ボール箱の幅29cmよりわずかにはみ出してます。幅が30cmジャストサイズの箱は簡単には見つかりません。
100均で買った布切れをスピーカーのネットにしておきます。画鋲で仮止めした様子です。
以上が20cmスピーカーを段ボール箱に入れてみた様子の説明でした。2重構造なので箱はそれほど重くならずに頑丈になりました。
追加作業
二重構造を意図しましたが、外側と内側の箱は接着してません。どうしても箱と箱の間に隙間ができてしまいます。ボンドで接着するのは、密着して接着できそうにありません。
そこで、ボルトとナットで圧着することを思いつきました。箱の前面を除いて、他の面を長いボルトを貫通させてナットで締め付けて2つの箱を密着させます。次の写真は内部のようすです。
箱の奥も同様です。
これで内部の箱が震えて外側にぶつかるノイズは抑えられるでしょう。
最後の蓋を閉める
段ボール箱にスピーカーを入れる時に悩むのが、最後の裏蓋の閉め方です。試聴のためにビニールテープで仮止めします。試聴のあとは、ボルトとナットで固定する方法を取りました。
今回の制作の前にもっと小型の段ボール箱で試作したときの様子で説明します。
ビニールテープを貼って裏蓋を固定するのは簡単ですが、これの欠点は、箱の中を見たくなった時にビニールテープをいちいち剥がさなければならないことです。
今度はボルトとナット締めに挑戦です。長いボルトを使えば、蓋を閉めるときやナットを締め込むときもボルトが内部に落とさずに作業できます。段ボール紙の当て紙も十分にしたので密閉性も保てます。
固定した部分の拡大写真です。内側の当て紙側からボルトを通して、外側の当て紙側でナットで固定します。2枚の当て紙で裏蓋が閉まります。
30L段ボール箱での試作
ここからは、一つ前に容量が30Lと小さな箱で試作していたようすを紹介していきます。スピーカー本体を取り付けたバッフル版を段ボール箱に固定したときの様子がわかります。
サブウーファーを大きいスピーカーで鳴らしてみたくて、コイズミ無線でGRS 8PR-8ウーファーを買ってきました。手持ちの段ボール箱で置き場所に置けそうなサイズで選んだのが30Lサイズでした。
組み立てた様子です。30cm四方のバッフル板が大きくはみ出しています。
スピーカーダクトを正面に開けられないので、箱の側面に開けました。
スピーカー取り付けの様子です。箱の内側から木ネジを通して、表のバッフル板をネジ止めで固定します。
木ネジは全部で4箇所で留めました。上の方にスピーカーダクトが取り付いているのが見えます。
段ボール箱の上蓋を閉めて完成です。このスピーカーの置き場所はアンプ類を収容しているラックの中に入れてみました、
100均の布切れで目隠し。
30Lの段ボール箱を選んだのは、ラックの空きスペースに入れたいからでした。予定通りに収まったので、これでめでたしめでたしのはずでした。しかしながら、ラックの上に乗せてあるレコードプレーヤーでレコードを演奏してみると、針飛びが止まりません。スピーカーの振動がもろにレコードプレーヤーに伝わってしまうんです。スピーカーの振動は恐るべしです。
ラック内にスピーカーを設置するのは不可能と判断。このあとは右側の電子オルガンの鍵盤のカバー上に設置することで、針飛びは収まりました。
しばらくはこれで20cmウーファーを使ってました。でも物足りません。箱の強度の点で問題。箱が震えてしまうので、音量を大きくできません。せっかくの大口径スピーカーが箱が小さすぎて活かしきれてないのは明らかです。
それで、2回目の試作が本記事の冒頭で紹介した容量が40Lの大きさの段ボール箱での製作というわけです。
感想
40Lサイズで2重構造の段ボール箱は予想以上にガッチリとできました。12cmのサブウーファーもそれなりに低音が響きますが、20cmのウーファーで聴くウッドベースの音は弦の響きが感じられるようで満足です。
これでしばらく使ってみます。
関連記事
段ボール箱にスピーカーを取り付けるシリーズ記事です。
こちらの記事は、初めて挑戦したときの記録です。
10cmスピーカーをジャンク品のアンプを取り付けてアクティブスピーカーに改造してみました。
10cmスピーカーの箱サイズが大きすぎたので、小さな箱で作り直しました。こちらはアクティブ化はしてません。
10cmスピーカーの次は、16cmスピーカーに進みます。モデルチェンジして使わなくなっていた16cmスピーカーを段ボール箱に収めてみました。
もう一つの使わなくなった16cmスピーカーをプラスチックの衣装ケースに収めてみました。