Wi-Fi無線LANを二重ルーターのモードで使うときの設定

無線ルーターと有線ルーターの設定のタイトル画像
LINEで送る
Pocket
このエントリーを Google ブックマーク に追加

はじめに:

自宅でWi-Fi無線LANと有線LANの環境を2台のルーターで実現します。RV-S340ひかり電話ルーターとWRC-1167無線ルーターの2台を使います。使用した無線ルーターの動作モードがアクセスポイント(AP)モードだと不調なため、ルーターモードにして二重ルーター構成で運用します。一般に二重ルーター構成は推奨されてませんが、ひかり電話ルーターの設定に静的ルーティング情報を付与し、すべての有線・無線機器を無線ルーター配下の同一セグメントに接続すれば、問題なく運用ができます。

設定し終えたシステムのようす

LANシステムの構成図
LANシステムの構成図

以下の説明は上記のシステム構成での、ひかり電話ルーターの静的ルーティング設定内容です。

ひかり電話ルーターから無線ルーターの先に渡したいネットワークアドレスは192.168.2.xxxでサブネットマスクが255.255.255.0です。

宛先IPアドレス/マスク長の欄には192.168.2.xxx/24を設定。ひかり電話ルーターから見える無線ルーターに割り当てられたIPアドレスの192.168.1.4をゲートウェイアドレスに設定しました。

ひかり電話ルーターのLAN側静的ルーティング設定情報画面
ひかり電話ルーターのLAN側静的ルーティング設定情報

この静的ルーティングの設定の実際の設定方法は最近ようやく知りました。この設定が二重ルーターを円滑に動作させるためのポイントです。

インターネットスピード測定結果

スピードテストのアプリで測定した画面を載せておきます。

デスクトップパソコンでのインターネット通信速度の結果です。

二重ルーターでのデスクPCのインターネット速度測定結果画面
二重ルーターでのデスクPCのインターネット速度測定結果

スマホでのインターネット通信速度の結果です。

二重ルーター構成でのスマホでのインターネット速度測定結果画面
二重ルーター構成でのスマホでのインターネット速度測定結果

今回の記事の主要な内容は以上です。

以下の説明は、なぜ二重ルーター構成を取らなければならなかったか、その背景を説明していきます。

上記で説明した、今回の設定にたどりつくまでの経緯がわかるかと思います。

我が家のLANの移り変わり

我が家のローカルエリアネットワーク(宅内LAN)はひかり電話ルーター1台にUSBケーブルとスイッチングHUBを使う有線接続でパソコンに繋ぐことで始まり、長い期間を運用してきました。

スマートフォンを使うようになってからは、4G接続で通信料金がかさむのを減らすたと、OSの更新では必須なために、我が家でWi-Fi接続環境を構築しなければなりませんでした。Wi-Fiを実現するために数年前に無線ルーターを購入して、なんとなしに無線LANも使えるようになりました。

その後はスマホの台数が2台になり、液晶テレビをネットワークに接続して情報を取る機会が出てきます。DENONのRCD-N10ネットワークCDレシーバーを購入しました。スマホからレシーバーの操作をすることがあります。

たくさん溜まったCDやレコードを効率よく鑑賞できるようにと、LAN Diskというネットワーク・サーバーを購入しました。音楽情報をすべて磁気ファイルに変えてネットワーク・サーバーに収納。LANを経由していろいろな楽曲が簡単にCDレシーバーで鑑賞できるようにしました。

従来は有線LANでネットワークに接続する装置がほとんどでしたが、無線LANで接続する装置が増えてきたのと、CDレシーバーとネットワーク・サーバーとの間でのデーターのやり取りが必要になりました。

ネットワークを利用する装置を有線接続で使うか無線接続のどちらで使うかとか、2台のルーターのどこの有線LAN接続端子につないで使えばよいかとか、よくわかりません。

いろいろ悩ましい状況になってきました。機器をつなぐ場所(セグメント)が適切でないと通信速度が大変遅くなったり、装置の間でのデータ通信ができなかったりすることが頻発したからです。

以上のような背景から、どうしたら無線LANと有線LANを適切に構成して運用できるかを知って、実践する必要性に迫られたわけです。

ひかり電話ルーターの構成

ひかり電話ルーターRV-S340はモデムとルーター機能を有し、外部(WANインターネット側)と宅内LANの間を橋渡しします。このルーターには無線ポートを付けてませんでした。導入当時は無線LANの必要性など全く感じてませんでしたから。有線のイーサネット4ポートのみで宅内LANを構成します。

写真の右側の装置がひかり電話ルーターです。左の小さい装置は次項で説明する無線ルーターです。

無線ルーターと光ルーター
無線ルーターとひかり電話ルーター

ひかり電話ルーターの背面のケーブル接続のようすです。上のUSBケーブルは隣の無線ルーターに接続します。下の電話ケーブルが外部(インターネット側)からの接続です。

光ルーターの背面
光ルーターの背面

無線ルーターの構成

無線信号の入出力機能と有線のイーサネット5ポートが付いてます。ルーターモード、アクセスポイント(AP)モード、子機モードのいずれかで使います。

無線ルーターの前面
無線ルーターの前面

無線ルーターの背面のケーブル接続のようす

無線ルーター背面
無線ルーター背面

こちらの有線のLANポートだけにハブ(SWITCHING HUB)を介して機器を接続していきます。

我が家のLANの使い方

我が家ではインターネットとの接続は最初はADSLで、ひかり電話回線に数年前に置き換えました。

宅内LANの用途はずっとパソコンのインターネット接続用でした。10数年前からパソコンを有線LANで接続して使ってます。その後別室にもパソコンを設置し有線LANで接続。ノートパソコンが無線LAN専用のものを買ったときに無線ルーターを購入して無線LANを導入しました。今の無線ルーターは電波の強力な2代目に置き換わってます。

テレビとかビデオレコーダーもLAN接続は一応可能にしてありますが、最近では必要なときだけ利用するようにしてます。

以上のLANの使用状況で、ネットワークCDレシーバーRCD-N10を買いました。そしてネットワーク・サーバーを設置しました。ネットワーク接続は2年ほど有線LANでしたが、今回の試行錯誤を経て無線LAN接続に変えました。最近購入したサラウンドAVレシーバーNR1711も無線LANでネットワークに接続し、有線接続のLANディスクにルーター経由で接続して現在に至ってます。

無線ルーターのモード設定

無線ルーターは3種類のモードが設定できます。使い方がよくわからないままにいろいろとモード設定を変えて試しました。

ルーターモードに設定

最初に試した設定です。無線でつながる機器は全てこの無線ルーター経由でLAN接続されます。無線ルーターをルーターモードで使うと配下の機器のアドレスは192.168.2.xxxとなります。 有線の機器は全てひかり電話ルーター側のLANポートにつないだままでした。アドレスは192.168.1.xxxとなります。

ルーターモードの信号経路
ルーターを2重接続した場合のネットワークアドレス例

この場合だと無線装置と有線装置とでアドレスのセグメントが異なるため、この例では1と2で違います。そのためにLANにつないだ装置感での直接の通信はできません。オーディオシステムで使用するLANDISCとAVReceiverやCDRecieiver間の情報のやり取りができないことがわかったので、この構成は諦めました。

APモードに変える

無線装置も有線装置も同じ192.168.1.xxxのセグメントのLANでつながなければなりません。そのために無線ルーターのモード設定をアクセスポイント(AP)モードに変えました。これで無線LAN配下の装置のアドレスも192.168.1.xxxで統一されます。そもそもAPモードの役割はセグメントを合わせることと言ってもいいです。ひかりルーターのようにすでにLAN上にルーターが存在している場合は、この構成が推奨されるのでした。

APモードの信号経路
無線ルーターをアクセスポイント(AP)モードにした場合のネットワーク

無線装置と有線装置間の情報のやり取りができるようになりました。これでしばらく使っていましたが、ひかり電話ルーターのLANポートにつないでいる有線装置のインターネット通信速度が遅い。理由は不明でしたが、ためしに有線装置の接続を無線ルーター側の有線LANポートに繋ぎ変えてみたところ、通信速度が速くなりました。理由がわかりませんけど。推奨の構成ながら、2台のルーターの有線LAN端子のどちらで統一するかで通信速度が変わってしまうのでした。

再びルーターモードに

しばらく上記の構成で運用してましたが、無線LANで接続している装置のインターネット通信速度がとても遅いのに気づきました。数Mbpsしか出てない。急におかしくなったのか、前からそうだったのか定かではありませんが、無線接続のLAPTOPコンピューターのWindowsUpdateのダウンロード時間が異常に長く(数時間)かかったので、この現象に気がつきました。

それでなくてもこの頃は何も使ってないのにひかり電話ルーターの前面のACT LEDがやたらとチカチカと点滅しているのには気づいてました。つながっている装置で異常な通信をしているか?どこからか侵入されているか?無線LANルーターの故障も疑いました。ルーターをリセットしてみたり、装置の接続を1つずつ外して様子を見たりしても様子は変わりません。

無線ルーターをAPモードで使う構成が推奨でしたが、これでは実用になりません。困りました。わけがわからないので無線LANルーターを新しくすることを考えましたが、念のため、ルーターモードに戻して、通信速度の変化を確かめてみることにしました。

再びルーターモードの信号経路
すべての装置を無線ルーターのセグメント内に収めたネットワーク

今度は全ての有線・無線装置のアドレスは、192.168.2.xxxとなります。ルーターが2台になることで通信速度が遅くなるのかなとか心配でしたが、 通信速度をspeedtestで測ると、なんと、 ・download: 40~55Mbps ・upload:20Mbps 程度も出ているのが確認できました。

通信速度テストのパソコン画面
デスクトップパソコン(有線接続)のネットワークスピード実測値
通信速度テストのラップトップパソコン画面
ラップトップパソコン(無線接続)のネットワークスピード実測値
通信速度テストのスマホ画面
スマートフォン(無線接続)のネットワークスピード実測値

これならばストレスなく使えます。2GHz帯でも5GHz帯ほどではありませんがダウンロードで40Mbpsぐらいと速い通信速度でした。嬉しい。

この構成でずっと使ってますが、問題は発生してません。さらに、最近、光ルーター側の設定マニュアルを読み直してみると、詳細設定の中に静的ルーティング設定(スタティックルーティング)という項目を発見しました。

ネット記事を探すと、この設定が二重ルーターを正常に動作させるのに必要なようです。実際のIPアドレスを調べてみて、この記事の冒頭で紹介した内容で設定してみました。このまましばらく様子見です。

感想

今回は、二重ルーターでも問題なく動作するという事例紹介でした。ネットの情報を断片的にかじって二重ルーター構成はだめというのを信じてました。でもそれはLANで利用する装置を各ルーターの配下に分散したら具合が悪いよ、ということでした。今回の最終形態では一方のルーターのLANポートに全ての装置を収容したので問題は起こらないと期待してます。ルーターが2台つながること自体での速度低下は気にならないようですし。そもそもそれでは困りますよね。

さらに静的ルーティング情報を付加したのでひかりルーターから無線ルーターへのダウンロードが円滑に行われるようになったと期待してます。一概に二重ルーターは良くないと言うことではなくて、適切に使用すれば良いのだろうと考えます。

無線LANのスピードがとても遅いことについては、APモードでの使い方に触れているネット記事が見当たらず、問題を解決するのに苦労しました。結果論でしかありませんが、以前の構成ですと、無線ポートにつながる信号は、光電話ルーターと無線LANルーターの2箇所でデータの処理が必要なのとルーター間での処理も増えたのでしょうが、変更後の構成では、無線LANルーター内で一括して行えることが処理の効率化(スピートアップ)につながったのかなあと思います。

先程も触れましたが、ひかり電話ルーターの前面のLEDがやたらと点滅し、さらに無線Lルーターの5GHz LEDや2GHz LEDの点灯のようすがおかしかったのが記憶に残ります。ルーター間で暴走してたのかもしれません。この可能性のほうが高そうですが、装置がブラックボックスで動作状態が見られません。装置をリセットして様子を見るぐらいしかなく、それで改善されなければ手の打ちようがありません。今後も同様の現象が起きて通信速度が遅くなりかねませんので、断定的なことは何も言えませんが、今が快適になったので、しばらくは様子見ですね。その後、1年近く問題は発生してません。

今回の記事はネットワーク関連の話題ですが、オーディオシステムがLANを利用できるようになって、無線ネットワークの知識が必要となりますので、オーディオ、システムカテゴリー記事として掲載しておきます。

関連記事

オーディオアンプがネットワークにつながると、ネットワークディスクに収めた音楽ファイルを楽しむこともできます。そんな楽しみについて書いた記事を御覧ください。

”ネットワークCDレシーバーを買ってよかった”へのリンクです。

レコードやカセットテープの音樂をデジタルファイルに変換する作業を紹介した記事もあります。

”オーディオキャプチャケーブルを使ってみる”へのリンクです。
LINEで送る
Pocket
このエントリーを Google ブックマーク に追加