蛇口の水漏れをケレップへの工夫で改善してます

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はじめに

水道の蛇口が水漏れする原因はいろいろありますが、今回は交換部品の寸法が少し足りなかった不具合を、ケレップとか水栓コマと呼ばれる部品にゴムを追加したりワッシャーを追加したりして、足りなかった寸法を補正することで水漏れをなくした事例の紹介です。

事例紹介

事例の内容について、問題の状況から実際の対策の順に説明していきます。

問題の状況

水漏れが起きたのは”TOTO TGK3A 台付きツーハンドル湯水混合水栓13(整流)(台所)”です。”止水上部”という部品の交換が必要です。本体は2002年に販売終了していて、純正の交換部品もすでに手に入りません。

TOTO TGK-3A水栓
TOTO TGK-3A水栓

ネットで入手可能な”KP600止水上部”という部品にこれまで2回交換しますが、普通に交換するだけではハンドル部分からの水漏れが起きます。

KVK KP600止水上部
KVK KP600止水上部

水漏れというよりも、蛇口のハンドルを回して締め切っても水の出が止まりません。よくよく状況を調べてみると、水の量を制御するケレップが下まで完全に落ちきっていません。そのために水が止まらないことがわかりました。

水栓の仕組みは、ハンドルにつながるスピンドルが、らせん状に回転してスピンドルの下にあるケレップを上下させます。スピンドルが4mmほど長ければ、水の出を止めるところまでケレップが下り切って、この不具合は起こらないだろうと推測されました。

TGK3Aの水栓にKP600を使うには、スピンドルの下の方の長さが数ミリメートルほど足りません。KP600を使用するのは今回で2回目です。数年後にまた同じことを経験しそうなので、数年前の経験と今回の処置での学びをまとめてメモしておきます。

対策

TGK3Aの止水上部の純正部品があればよいのですが、現在では無理です。止水上部(KP600)はそのまま使うしかないので、ケレップへの対策を考えました。

対策1

ケレップはコマのような金属部品にねじ止めでゴムがつく形状です。このゴムが水の出入り口を押さえて水の出を止めます。このゴムは取り替えできる構造なので、もっと厚いゴムに取り替えられないか?現状4ミリメートルの厚さを8ミリメートルに変えられないか?

捜しても8ミリ厚さのゴムは売ってません。では現状のゴム(4ミリ厚)の2枚重ねを試します。するとネジの頭がゴムの穴に隠れてしまい、ナットが止められません。ナイフやヤスリを使って2枚目のゴムのナットが当たる部分だけを削りました。この作業はものすごく大変。なんとかナットが締められるようには細工できました。

ゴム2枚重ねケレップ(右)
ゴム2枚重ねケレップ(右)

実際に試してみたら、水は止められるようになりました。ゴムを厚くすればよいという推測は当たってました。

対策2

いちいちゴムを削るのは大変なので対策1は却下。ケレップのゴムの端の位置を、スピンドルの端から4ミリだけ現状より離せばよいと気づきます。

そこでワッシャーの登場です。

ケレップの軸は約5ミリメートルです。そこで内径5.2ミリメートルのワッシャーを何枚かケレップの軸に通します。

ワッシャー付きケレップ
ワッシャー付きケレップ

ケレップを水栓の中に戻します。

ワッシャー付きケレップを元の位置に戻す
ワッシャー付きケレップを元の位置に戻す

止水上部をはめ込み、ハンドルを戻して、水の出を試すと、ワッシャーが4枚だと不十分で、5枚だと水は完全に止められるようになりました。ハンドルを回し切らなくてもケレップは下に届きます。成功です。

1枚のワッシャーの厚みは0.8ミリメートル位なので、5枚重ねると約4ミリメートルになります。数年前に使っていた材質が鉄製にクロールメッキのものは錆びてしまったので、錆びにくいといわれるステンレス製に今回変えてみました。これでしばらく様子見します。

対策3

対策2で水漏れしなくなりました。あとはワッシャーの錆が心配。

ワッシャーを使わない方法はないか?

ネットでしつこくしつこく調べると、節制コマの分類の製品の中に、一つだけゴムの厚さが8ミリメートルぐらいありそうなものを見つけました。ホームセンターにあったので入手。

節水コマ2種類とケレップのパッケージ
節水コマ2種類とケレップのパッケージ

コマの部分の寸法を測ってみました。

コマの寸法を測定する
コマの寸法を測定する

右から2番めの節水コマが今回の候補でしたが、ケレップよりもわずか1mmほど厚いだけでした。残念。

節水コマのゴム部の厚さを測定
節水コマのゴム部の厚さを測定

中央の節水コマはほぼ同寸法でした。というわけで節水コマでの対策は実施しません。

考察

結局、対策2で2,3年様子を見ることにします。ステンレス製のワッシャーがどれだけ錆びるか?ちょっと不安。

黄銅製のワッシャー

ケレップや水栓コマの材質は黄銅とゴムと表記されています。したがって黄銅製のワッシャーを使えば安心なのかな?ホームセンターでは黄銅製のワッシャーをいくら捜しても見つからないので、そういうものはないのだと半ば諦めてましたが、ネットで検索するとありました。内径5ミリメートルのもあります。やったーです。

しかし、販売ロットが50個のパッケージのみ。そんなにたくさんは必要ないし。送料も入れると1000円近くかかりそうだし。どうしても必要とあればやむなしですが、これも様子見にします。黄銅製のワッシャー、どんなかなあ?どうせ、そのうちに我慢できなくなるかもです。

感想

いろいろと調べているうちにこの種の蛇口の構造に詳しくなりました。一つのことにこだわって追求してみると、いろいろわかってきて楽しいですね。

住んでいる集合住宅も築40年ぐらいで、あちこち修繕箇所が出てきています。今回の混合水栓も建築当時のまま活躍中です。この水栓はキッチンの奥深くに取り付けてあって、素人目には容易には交換できそうにありません。調べてみると同等の代替品もほとんどなさそう。水栓交換のためにリフォームなんて勘弁してほしい。なんとか水栓本体はあと2、30年は生きながらえてほしい。

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