ネイティブの感覚で英文法の64の要点を学びます

はじめに:

英文法をネイティブの感覚を元にして解説した文法書を紹介します。ラジオ英会話テレビの英会話定番レシピの大西泰斗さんらの著書「ネイティヴの感覚がわかる英文法」の紹介です。英語を形づくる基本的な文法が、ネイティブの語感-ネイティブが持っているイメージとして理解できます。

本書の構成

210ページほどの小冊子。研究社の”ネイティブスピーカーの単語力・英文法”などのシリーズ本を踏まえ、NOVAから出版された本書「ネイティヴの感覚がわかる英文法 読む、見る、つかむ英文法の要点64」では、日本人にとってむずかしい英文法の64のポイントを選んで解説します。

Chapter1 SENTENCE PATTERNS(文の骨格)
Chapter2 THINGS(名詞類)
Chapter3 TIME(さまざまな時表現)
Chapter4 AUXILIARY VERBS(助動詞)
Chapter5 ALL-ROUNDERS(1) TO(to不定詞)
Chapter6 ALL-ROUNDERS(2) -ING
Chapter7 PREPOSITIONS(前置詞)

それぞれの章はいくつかのポイントの解説と例文と章のまとめという構成です。解説だけではすぐに理解できなくても例文を読めば理解しやすい。どの章から読んでも大丈夫です。

本書から受けた気づきなど

各章ごとに知り得たことや納得したことなどのごく一部を挙げていきます。

Chapter1

7通りの文の骨格が説明されてます。何をいまさらというのが最初の印象。どんな英語の長文でもどれかの骨格に分類されると言い切られてしまうと、ああそうなのかなと思いました。

英会話定番レシピの7つのレシピと同じ内容なのだと思います。骨格の一つPattern5は”V+名詞+名詞” は名詞が重なる(オーバーラップする)イメージです。英会話定番レシピの番組でオーバーラップという言葉が出てきたのがこのことを指すようです。
”He named the baby Kaito.その赤ん坊をカイトと名付けた。”、赤ん坊とカイトがオーバーラップしているという例文がわかりやすい。

どんな英文でも、7つのパターンのどれかに当てはめてみれば内容がわかるようになりますね。

Chapter2

the,a,s,any,someの使い分け方のポイントがわかります。

  • the は「1つに決まる」というイメージ
  • a のイメージは「1つに決めることができない」
  • some は「そーゆーものがある」と単なる存在を示す
  • any は聞き手に自由を与える単語。「どれを考えてもいいよ」という意味

上記のように、こういったイメージだよと説明されて、具体的な例文が示されると、なるほどと違いが理解できました。

Chapter3

「英語には未来をあらわす決まった形がない」との記述はちょっと驚き。

  • He will go to England.
  • He is going to go to England.
  • He is going to England tomorrow.
  • He goes to England first, then to France.

たしかに言われてみればそれぞれが未来を表してます。これらを状況に応じて使い分けると、willの意味は「推測(~だろう)」「意思(~する)」ということで、”彼は英国に行くことになるだろう”。
be going to は現在すでに to 以下の状況を引き起こすタネがあることを示すということで、”彼は英国に行くつもりだ”。
和訳は私が付けましたが、このようなイメージで使い分けます。

Chapter4

この章は概要的なのでレビューは省略します。

Chapter5

前置詞 to は「何かがある方向に向かって接触する」あるいは「つながる」イメージです。
この章はレビューしにくいのですが、たくさんあるto不定詞がすべて上記のイメージで説明されています。個別の日本語の訳を覚える必要はないということが強調されます。とはいえ、これらを状況に応じて使い分けられるようになるのは、大西さんの域に達するのはなかなか難しいかな。

Chapter6

ingの説明。「薄められた」進行形イメージと説明されます。進行形のイメージは①期間が短く②生き生き感があり③行為感がある(その場で起こっている感じがする)で、ing はそれを引き継ぎながらお気楽に使われている。ということで、ちょっと言葉だけでは難しいですかね。

本書の挿絵(イメージ図)と例文の助けを借りないと私の筆力ではとてもレビューできません。私が言えるのは例文は結構難しめなのに、本書の説明を読むとすんなりとわかるということが感じられました。

こむずかしい和訳を覚えるのでなくて、イメージで自分なりに表現できれば良いのでしょう。そういうことを感じました。この章が私には1番有益でした。

Chapter7

前置詞についても概略的ですのでレビューは省略します。

読んだ感想

難しい英文法のポイントに絞ったとしているだけあって、普段わたしが疑問に思ってもそのままにしていたことの答えが見つかったり納得できるところがありました。

従来の英文法の細かい決まりごとはあまり気にしないで、”ネイティブの感覚を持っていれば英語も理解しやすい言語である”ということが著者の主張のようです。それが本書を読めば納得できると思います。

大西さんの著書をこれで2冊読み終わりましたが、大西さんらが我々日本人の英語学習者に伝えたい英語のイメージがなんとなく理解できた気がします。たぶんどの著書でもそれは伝わると思います。

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中古品のみの販売となっているようです。

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