ネイティブのイメージで英語の基本動詞を学びます

はじめに:

英語の基本動詞は実にさまざまな使われ方をします。ネイティブのイメージを基本にして学ぶためのテキストを紹介します。ラジオ英会話講師の大西泰斗さんの著作「ネイティブスピークの単語力 1 基本動詞」です。よく使われる基本動詞をイメージで分類しイメージで理解できるように構成してあることが本書の特徴です。

大西泰斗さんの紹介

著者大西泰斗(おおにしひろと)さんを紹介します。

英会話定番レシピ

NHKEテレの”英会話定番レシピ”は2021年度の後半から始まり2022年度は1年間続きました。”定番レシピ”というタイトルからしてちょっと風変わりです。2022年の4月からは英語の文法の講義をベースにして進みました。講師の大西泰斗先生の英文法の教授法がユニークだなと思って視ていました。

ネットで大西泰斗を検索

ネットで”大西泰斗”で検索。wikipediaに登録されるレベルの語学の学者さんです。

大西が当初から目指しているものは、認知言語学で広く使用されているイメージ・スキーマを一般の学習者にわかり易いように変えたイメージを用いた英文法のわかり易い教授である。

wikipediaから引用

言葉でいくら定義しても正しくは伝えきれない。英語をイメージで捉えて理解する。ということなのかな。番組でホワイトボードに必ず何らかのイメージを手書きしながら解説されているのが大西さんの解説法の背景がわかりました。

著作を入手する

その後も先生の思考法に興味があったので、著作を見つけるたびに片っ端から読み漁りました。現在は7冊目の途中です。英語の感覚を身に付けるが先生が一貫して取り組んでいるテーマです。

ネイティブスピーカーの単語力を紹介します

書店で最初に見つけたのが、”ネイティブスピーカーの単語力1基本動詞”という本です。この本を簡単に紹介します。

ネイティブスピーカーの単語力の表紙
ネイティブスピーカーの単語力の表紙

研究社から出ているネイティブスピーカーの単語力シリーズの1冊目です。ネイティブスピーカーの英文法シリーズとは別系統で、文字とおり英単語の解説に踏み込みました。

本書の構成

基本動詞を9個の原型イメージに分類し、9章に分けて説明しています。

第1章 移動をあらわす動詞
第2章 変化をあらわす動詞
第3章 静的状態をあらわす動詞
第4章 知覚をあらわす動詞
第5章 思考をあらわす動詞
第6章 伝達をあらわす動詞
第7章 入手をあらわす動詞
第8章 創造をあらわす動詞
第9章 インパクトをあらわす動詞

それぞれの章で、それぞれの動詞の持つ原型イメージ(proto type)を解説し、原型イメージから派生するいろいろな具体イメージ(more specific)も持ついろいろな動詞の意味と使い方を英語と和文の例文で紹介していく構成です。

内容についての感想

1章では移動をあらわす動詞として、goの使い方と様々な例文が提示されます。続いてcome,bring,runと解説が進みます。一つの単語でも違う訳になる例文がたくさん出てきます。

目新しい例文が次から次に提示されて、こんなにも基本動詞には多くの意味・使われ方があるのかと、改めて驚きました。それぞれの例文に即した単語の意味を個別に覚えるのではキリがありません。イメージで分類し派生した意味で把握すると理解しやすいというのはすぐに納得。

感じることは、基本的な動詞ほどさまざまな意味で使われることと、従来はそれらの意味をそれぞれ無関係な独立した意味として暗記していたこと。それが本書では動詞の意味づけ方が体系づけられていてスマートです。

説明されている内容は、正直なところ理屈っぽく感じられて、やさしくありません。イラストでイメージが伝わりにくいものもあります。1つの動詞の説明を読み込むだけで大変です。

動詞の意味をくまなく理解して身につけようとすると、従来のやり方であれ、大西方式であれ大変さがあります。それでも大西方式がスマートなんだろうなと、そう感じました。

本書は、読み物としてではなくて、必要になったらその部分をめくって調べてみる単語帳としての使い方がよいかもしれません。

商品へのリンク

アマゾンのネイティブスピーカーの単語力 1 基本動詞へのリンクです。

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