「映画英語のリスニング」を使ってリピーティングする


英語映画のリスニング力強化をテーマにしたCDブックをレビューします。

本書の特徴

「映画英語のリスニング New York Detective Story」は映画英語が聴き取りにくい原因を効率よく克服するために作成されました。本書のはじめに原因や解決法など本質的なことが書かれているので要約してみます。

ボトムアップ式を採用

ボトムアップ式は細部の音の聴き取りに力点を置き、細部の理解を積み上げて全体を理解していく方法です。

映画の場合は、短くスピードの速い会話のやり取りの中で、音に多彩な変化が生まれていて、簡単なフレーズでも聴き取りにくくなっていることが多いからです。キーワードが聴き取れれば話の内容はだいたい推測できるのですが、そのキーワードが他の語と連結したりして音変化していると、聴き取れないということが起こってきます。こうした会話では、そこで起きている音変化をまず理解して、音のつながりに慣れていくことがリスニング力アップの鍵になります。
英語の日常会話には、普通多くの音変化が含まれています。英語は強弱のリズムのある言語で、単語から単語へ音をなめらかにつなげて話すため、いろいろな音変化が起きやすいのです。音変化には一定の規則性がありますので、それを理解することで、効率的にリスニング力をアップさせることができます。

多彩な音変化が凝縮されたドラマ

本書には著者が大学でおこなった授業1年間分の内容が収められています。1年間で学習する音変化をすべて入れたドラマがNew York Detective Storyです。必要な音変化とプロットは著者が用意し、ハリウッドの脚本家がそれを元に台本を書いてレコーディングされました。ドラマをはじめから最後まで通して聴いていくなかで、音変化全体を効率的に理解し習熟していけるように構成してあります。テキストにはドラマの各シーンにアメリカ人劇画家が描いたイラストが入っていて、ドラマの雰囲気を目で感じさせてくれます。
会話はナチュラルスピードで、音変化は中級レベルの内容。
ドラマ中のいろいろな背景音や効果音が、聴き取ろうとする際の集中力を高めています。

解説で理解し、リピーティングで体得する音変化

本書は全部で16のシーンでドラマが構成され、セリフが英文と日本文で左右のページに載ります。シーンごとにPHONETIC FOCUS(音変化に焦点を合わせる)として音変化の解説とリピーティングコーナーが設けられています。解説で音変化を理解し、リピーティングコーナーで音変化を含むいくつかのフレーズをナチュラルスピードでリピートして、より深く体で音変化を理解していくことがねらいです。

以上が書冒頭2ページの説明文で私がポイントと感じた部分の抜粋と要約です。

本書で学ぶ音変化

音変化を5つのテーマに分けて学びます。1と2で単語内の音変化を理解し、3から5で単語と単語の境で起きる音変化を見ていく構成です。

  1. 軽く発音される語や音
    弱音で話されることの多い単語や、弱音部分で消えやすい子音や母音を取り上げます。
  2. tの多彩な音変化
    「弾音化」「声門閉鎖音」などを取り上げます。
  3. 単語の境でなめらかにつながる音
    <子音(破裂音+子音>、<子音+母音>のつながりを取り上げます。
  4. 短縮音や同化音
    単語と単語の境目でくっついたり同化する音変化を取り上げます。
  5. 強弱のリズムと抑揚
    英語のリズムと抑揚を概観します。

学習の進め方

ドラマは16場面(Scene 1-16)あり、場面ごとに3ステップで学習を進めていく構成になっています。

目次

    1. イラストを見ながらドラマを聴き、巻末のListenngi Testのコーナーで書き取ってみる。

学習の進め方step1

下の写真はListening testのページの例です。

Listening test

    1. 英文や訳を読んで意味を把握します。

学習の進め方step2

    1. Phonetic Focusで、会話中で起きている音変化をボトムアップ方式で理解していきます。

学習の進め方step3

下の写真は、Phonetic Focusの説明文の例です。

Phonetic focus テキスト

下の写真は、Phonetic FocusでRepeating練習をするためのフレーズの例です。

step3Repeating

リピーティング用フレーズ

本書には全部で64個のフレーズが選ばれておりCDで聴くことができます。
どの程度のレベルの英語なのかがわかるように、一つ聴けるようしました。わたしにはリスニングもリピーティングも難しいと感じたフレーズです。

ちょっとした感想

本書を手にしたとき

私はいくつかの映画を教材として利用してますが、普通に聴き取れるところや時間的な間が多いので冗長な感じがしていました。もっと効率的に取り組める教材がほしいという気持ち、もしも自分に資力があったらプロを雇って教材を作りたいなどと夢見ました。その気持ちに答えてくれる一つが本書です。

正しい発音

本書を学習するには母音と子音の基本的な意味程度は理解しておいてほしいとして、簡単に解説してあります。当然だと私も思います。ナチュラルスピードでの音変化を実際に練習していると、舌の位置を正しく置いてないと練習についていけません。当サイトでも最初の頃に母音と子音の練習を取り上げましたが間違いではなかったようです。

リピーティング練習の大切さ

ドラマをざっと聞いたり、フレーズの部分だけを聴き流したりしてみましたが、わたしには難易度はちょっと高かったです。
これまでなんとなくシャドーイングはしてきましたが、リピーティングはやってませんでした。フーズを聴き終わったあとで、聴いたとおりに繰り返すのがリピーティング。いくつかのフレーズで取り組んでみましたが、なかなか難しいと感じました。そのフレーズをそのまま覚えてしまうくらい練習しないといけなさそうです。じっくりと練習に取り組みたいと思います。

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