イントゥルーダー(高嶋哲夫)



イントゥルーダー (文春文庫)

[感想]

交通事故にあった「私」の息子は、麻薬の売人の疑いをかけられたまま、意識が戻らずに死んでしまう。その息子が残した情報を「私」が追いかけていくことで、息子の無実を晴らすどころか「私」が犯罪に巻き込まれていく。
その犯罪が原発建設に絡むのと、その事実を突き止めるのがコンピューターのハッキング技術によるというところが、作者の得意分野の知識を存分に活かしてストーリー作りがされたと思われる。
作者のごく初期の作品で、話の運び方がぎこちない感じがしないでもなかったが、イントルーダ(侵入者)という言葉の意味をストーリの要に据えて勧めているところは流石だと感じた。
結末があまりにもあっけない終わり方で、一体どうなってのかが、わたしにはわかりにくいのが残念。
余韻を残したといわればそれまでかも知れないが。(2017.11.26)
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