[感想]
秋雨前線による集中豪雨に、巨大台風による雨風が重なって東京に大洪水を引き起こす。
いろいろな災害が現実に起こっている現在の状況をみれば、その設定は決して空想のものとは言えなくなってきている。
読み進むにつれて内容がどんどん現実に思えてくる展開。
気象学者の玉城とその家族、そして災害に対処する関係者の動きがまるで映画を見ているように刻々と描写されていく。
一旦荒川の堤防が決壊すれば、東京中の地下鉄が水没してしまう。言われてみればその通りだという気がして、恐ろしくなってきた。
わかりきっていることなのに、なぜ現実では対策がされないのか?
作中に出てきて実在する、首都圏外郭放水路は中小河川の洪水対策のためで、荒川のような大河川の洪水には力足らず。
溜池幹線、神田川/感情7号線地下調整池も同様。
荒川スーパー堤防は、内容を殆ど知らなかったのでネットで検索。一口で言うと堤防の幅を広げて決壊を防ぐ発想。
自然の猛威に対してはとても太刀打ちできないというのが実情のよう。
フィクションドキュメンタリー「荒川反乱」H29.3改訂版
https://www.youtube.com/watch?v=h3YylcsxOyU
これは見ておくべき。
以下、素人の思いつきだけど、
堤防が決壊しそうなところが限られているなら、そこを広げれば良い。
川を浚渫して流れる容量を増やせば良い。
などと思うんだけど。後始末の費用よりもよっぽど安上がり。(2017.11.12)
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