キケン(有川浩)

花

感想

木登りをしたことがないとか鉛筆を小刀で削れない子供が増えたという嘆きがされたのは随分昔のことだったでしょうか?今も状況は変わらないのかな。テレビゲームで人を擬似的に傷つけてもなんとも思わなくなり、実際に人を傷つけたりしてしまうという事件が増えてきているようです。
この「キケン」という作品では、やりたい放題のことを学生がしまくりますが、犯罪の一歩手前までのところで踏みとどまります。限界を知っているからこそ自由に振る舞える。そういう経験の大事さをテーマにしているように感じました。
大学生が勉強しないで遊びまくるということでなくて、なにかに夢中になれる、そういう時間が学生に与えられているんですね。そういう自覚を持って有意義に学生時代を過ごせたら、それは素晴らしい自分の宝ものになるんでしょう。そう感じます(2020/04/22)
本の帯の紹介文を引用しておきます。

ごく一般的な工科大学である成南電気工科大学の「機械制御研究部」。略称「機研“キケン”」のこのサークルは、犯罪スレスレの実験や破壊的行為の数々から「キケン=危険」とおそれられていた。激しすぎる「新入生歓迎実験」、学祭での『奇跡の味』の模擬ラーメン店、驚愕の戦法で挑んだロボット相撲大会…。「キケン」な理系男子たちが繰り広げる、事件だらけ&爆発的熱量の青春の日々。本書は、その黄金期の記録である!

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