三匹のおっさん(有川浩)


[感想]

有川さんは作品の分野が広い。今回読んだ「三匹のおっさん」は、還暦を過ぎた仲良し三人組。
なにか世の中の役に立ちたいと、近所の問題解決に限定した自警団を結成する。そして次々に起きる問題とそれへの取り組み。
物語としては面白くならないわけがない。読者の私から見ても、年齢的にもすごく親近感を覚えてしまう。
そして相川作品に欠かせない少年少女の絡みが話を余計面白くしてくれる。
第一話は、しげが食卓で働き出したアミューズメントパークでのユスリ。
第二話は、昼間に出没する痴漢の話。そして意外な犯人とは・・。
第三話は、オレオレ詐欺ならぬ初恋詐欺の話。ちょっと無理な設定かなと思うけど、意外と引っかかるかもしれないな。
第四話は、中学校が舞台で、飼育小屋で飼っているカモが虐待される話。途中まで匂わされていたのとは違う犯人だったという結末で、弱い者いじめをする心情にも触れた話題だったので、読み応えがあった。
第五話は、祐希と早苗の中をしつこく邪魔してくる潤子。なぜそうなって島たのか、その裏には悪い男がいたというお話。ありそうなテーマでした。
第六話は、催眠商法にまつわるお話。町内に入れ代わり立ち代わり出入りする商売グループ。そしてそれに他愛もなく引っかかる老人たち。そうなる理由は心にあったということだけれど、それを3人組が上手に対処していく。作者の優しさが溢れた名品。
どのお話も、楽しく、または切実の読まされる。
続編もぜひ読んでみたいと思う。(2018.08.19)
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