原発クライシス(高嶋哲夫)



原発クライシス (集英社文庫)

[感想]

とても激しいストーリー。100人ものテロリストが原発を占拠する。数十名の機動隊が死傷する。自衛隊が出動して戦車が発砲する。どこかの国の戦争を映画で視せられているようなシーンが次々に展開します。
チェチェン解放戦線やら、ひかりという宗教団体やら、戦場カメラマンが登場と、総理大臣も出てきて、登場人物もてんこ盛り。
放射能に汚染された冷却用の空気を待機中に放出するというのが最大の脅し。占拠したリーダーが人殺しをなんとも思わない薬で頭がいかれた人物。こんな展開だと原発が暴走して爆発してしまいそう。一体最後はどうなるものかと心配になりました。
一味の本当の目的は最後に明かされるが、ナンノコッチャとちょっと白けた気分。

ストーリーの展開がかなり乱暴な気がしないでもないが、これが映画化されたら、スペクタル大作として面白いだろうな。
多分誰も映画化はしないだろう。ちょっとできないよね。日本のいまの雰囲気だと。

この作品からなにか学ぶかというとあまり感じられない。それよりも娯楽作品として割り切りたい気分。
とはいえ、作中で最後はコンピューターとか手動での原子炉停止が操作できることになっている。高嶋さんは原発擁護なんだろうな。
実際にメルトダウンが起こった福島第一原発が何故非常停止できなかったのか?
この次に想定外のことが重なっても、絶対に原子炉は止められるように対策されているのか、現実の世界でのことがとても不安にはなりますね(2018.04.14)
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