日本国紀[新版](百田尚樹)

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『感想』

上下巻合わせて八百ページあまりの大作、巻末まで全部を読み終えると格別な感動を味わえます。日本人とは何者なのか? その答えは読者によってまちまちでしょう。

私の感じた答え

次のとおりです。

  • 日本人は島国であり災害の多い環境のゆえに皆で協力して生きていくことが身にしみている。それが性善説的な生き方となっている。
  • 平和ボケしやすい。外圧で国が滅びる直前まで一致団結できない。
  • とはいえ最後の最後には一致団結できる。

これらの繰り返しで日本の歴史は繰り返され、日本人の根っこがつくられてきたと感じました。

特筆すべきこと

明治から大東亜戦争まで欧米と戦ったことが、その後のアジアや世界の有色人種の国々が独立するきっかけとなったこと。日本列島がなければ、今の全世界は白人種の支配下であろうという予測、これは間違いないと思います。そういう世界に寄与した点、日本人が誇るべき点への認識を与えてくれた本書は、たいへん有意義な書物だと言えます。

雑感

思いつくままに。

本書は学校の教科書(副読本)にすべき

なにしろ分量が多すぎ。百田尚樹ファンでなければとても読みきれない。
本人もYoutubeの解説番組で”教科書”と冗談半分で言っているが、本質を言っていると思う。普段あまり読書習慣のない人には読了するのは難しいと思う。

その点、教科書になれば、半ば強制的かつ章立てて順番に講義に使うことができる。じっくり学べるという意味で本書は教科書に最適だと感じる。

百田カラー満載の再々新版の発行を期待する

新版発行の狙いは、旧版で受けた様々な指摘(批判)に答えることが大きかったように思う。そのため”異論あり”とかの注釈が多くなり、読みづらくなってしまった。

百田さんの読んで面白いという部分が削がれてしまったようでとても残念。

今回の新版で極めて真面目な日本通史ができたことは認める。お疲れでしょうが、これで終わりにしないでほしい。

次回は百田さんの信じることだけに絞ったエンターテインメントとして割り切った400ページぐらいの書物を、もういちど書いてもらえたらうれしい。今度こそあっという間に100万部突破するんじゃないかな。

新版の内容を正しく伝えて広めたい

真面目な本です。編集者や監修者に恵まれてしっかりと作られています。

自虐思想に凝り固まった人たちにこそ本書を読んでほしい。でもそういう人たちは、最初から近づきもしないだろうな。そこをなんとかできれば日本は良くなる。

教科書にしたらどうかとは書いてみたけれど、教える先生が日本国紀を正しく理解してないと間違った教え方をしてしまいそう。 逆効果になりかねない。なかなかうまく行かないものですね。

これからは「日本国紀」をベースにして、その重要な部分を取り出し、それをどのように伝えれば、まだ理解できていない人に正しく内容を伝えられるか、その方法論をネット上で百田ファンのみんなで考えていけばよいと思います。

youtubeの解説を楽しみにしてます

”百田尚樹の新板・日本国紀”は2月10日で44回目の公開になりました。毎回楽しみですね。百田氏が途中で”もうやめたい”と弱音を吐いたら、すかさず編集者の有本香さんが助っ人に入る名コンビぶり。youtubeの解説を見て本書を読んでみたいと思う人が多いんじゃないかな。ゴール(最初は200回ぐらいと予測してました)到達まで頑張ってください。(2022/02/10)

(2022/02/13追記)

コラムの話題

コラムが百田さんの信じていることだと思ったので、
さてコラムの話題は何だったか?順に眺めて書き出してみました。

コラムにタイトルはついてなかったので私が勝手に付けてます。
・世界四大文明
・万世一系
・日出処の天子は聖徳太子なのか
・万葉仮名の読み方の難解さ
・天智天皇と天武天皇は兄弟なのか
・万世一系 応神天皇、継体天皇
・源氏物語
・方言周圏論
・男色
・幕府と朝廷
・弘安の役
・南北朝
・日明貿易と冊封
・琉球国
・織田信長
・キリスト教と禅宗
・秀吉の朝鮮出兵
・豊臣秀頼と茶々
・征夷大将軍と源氏姓
・参勤交代
・鎖国政策
・身分制度
・生類憐れみの令
・江戸時代の武芸
・犬のお伊勢参り
・江戸の大火
・江戸時代の脚気
・閑院宮家の創設
・狂歌と辞世
・伊能忠敬
・ラナルド・マクドナルド
・言霊主義
・黒船の来航
・日露和親条約
・桜田門外の変
・和宮降嫁
・中浜万次郎
・日の丸の国旗
・世直し一揆、ええじゃないか
・幕末から明治の外国人から見た日本人
・東京招魂社、靖国神社
・廃藩置県
・廃仏毀釈
・君が代
・不平等条約の改正、鹿鳴館外交
・義和団の乱、柴五郎
・高橋是清
・日露戦争と日英同盟
・和製漢語
・明治天皇
・ブロック経済
・南京大虐殺
・ドイツのユダヤ人迫害と日本
・大東亜共栄圏
・大東亜戦争の軍部
・ポツダム宣言受諾
・日本国憲法
・敗戦と海外の日本人
・昭和天皇の戦争責任
・昭和天皇の巡幸
・WGIP
・公職追放と教職追放とGHQの誤算
・GHQの日本人への恐れ
・極東軍事裁判の戦犯の赦免
・マスメディアの反米化
・戦後の復興の理由
・朝鮮人慰安婦
・沖縄の祖国復帰

見落としがあるかもしれませんが、以上、盛りだくさんです。これを書いた百田さんは偉い!!

もっと日本人に知ってもらい人たちや事柄

目に止まった事柄や方々だけになりますが、
・刀伊の入寇
・北条時宗
・萩原重秀
・江川太郎左衛門
・中浜万次郎
・小栗忠順(おぐりただまさ)
・柴五郎
・高橋是清

これらの方々のエピソードを読むと胸が熱くなって、日本人として誇らしくなりました。

2月12日のライブ

たまたま生放送で見ることができました。

刀伊の入寇と北条時宗が取り上げられていたりして、より内容の一層理解が深まりました。

共演の有本香さんが、現在これからの日本は同課題を解決していけばよいかといったようなテーマで出版準備中とおっしゃってました。まさに私が期待しているところにぴったし当てはまりそうな予感。期待してます。

ライブ放送は、1時間ぐらいかなと思ったら1時間50分ぐらい。まだ続けたそうでしたが、有本さんがとりあえずということで終わり。もっとも最初の15分くらいは準備の様子なので飛ばしても良いかも。

(2020/02/13の追記はここまで)

以下、本のカバーの説明文を引用しておきます。
「上巻」
神話とともに誕生し、万世一系の天皇を中心に独自の発展を遂げてきた、私達の国・日本。聖徳太子、平清盛、北条時宗、織田信長ら最重要人物を”一本の線”でつなぐことで国家の変遷を浮き彫りにすると同時に、大伴部博麻、萩原重秀など、重要な脇役にも焦点を当てる。当代一のスローリーテラーによる日本通史の決定版。(古代-幕末までを収録)

累計100万部突破!
教科書が教えない、歴史秘話が満載。日本の歴史は、こんなにも感動的で面白い!
日本ほど素晴らしい歴史を持っている国はありません。(略)ヒストリーという言葉はストーリーと同じ語源とされています。つまり歴史とは「物語」です。本書は日本人の物語、いや私たち自身の壮大な物語なのです。([序に変えて」より)

[下巻」
黒船来航により、二百六十五年にもわたる江戸時代が終わりを告げた。明治維新というかつてない劇的な変革により近代化した日本は、日清・日露戦争を経て、維新より半世紀後、ついに世界の列強と肩を並べるが……。教科書が教えない、知られざる史実と感動の歴史秘話が満載。ベストセラー作家による壮大な日本通史。大幅加筆により待望の文庫化!

累計100万部突破!
著者こだわりの超大幅加筆により、150ページ増量して待望の文庫化!
日本の長い歴史を見つめ直す作業は、実にエキサイティングな旅でした。(略)旅を終えたいま、私の心の中に一つの「問い」が浮かんで、消えません。それは「もし、地球上に日本列島がなかったならば」というものです。(「あとがきにかえて」より)

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