アンマーとぼくら(有川浩)

せせらぎの花

感想

読んでみて沖縄の自然の素晴らしさが伝わってきました。ぜひ訪ねてみたくなります。
リョウは「おかあさん」と一緒に沖縄を観光しているはずが、途中からだんだんおかしな感じになってきます。それは読者も同じで、その理由は最後の最後で明かされることになるのですが、読んでみてのお楽しみです。
リョウの亡くなったお父さんがとても子供っぽくて一途な人だったということがこの作品の底辺にあるようです。それを受け入れて愛した二人の女性「お母さん」と「おかあさん」。リョウはお父さんに振り回されて新しい「おかあさん」をなかなか受け入れられなかった。その後悔が大きくて、もう一度おかあさんとやり直すことがこの時の沖縄の旅となったわけです。3日間でその目的は果たされましたが実は…。というお話。
ミステリーとして読むのも一つでしょうが、沖縄の人の懐の広さが作者の伝えたかったことのように思います。それが作品のタイトルにもなっている気がします。ここでアンマーは「おかあさん」ですが、ぼくらとは、ぼくリョウと子供そのものだった「おとうさん」なんです。読み終えた初めてタイトルの意味が分かりました。
本の帯の紹介文を次に引用しておきます。(2020/07/20)

休暇で沖縄に帰ってきたリョウは、親孝行のため「おかあさん」と島アンマーとぼくら(有川浩)内を観光する。一人目の「お母さん」はリョウが子供の頃に亡くなり、再婚した父も逝ってしまった。観光を続けるうち、リョウは何かがおかしいことに気がつく。
「過去は変わらない。変えられるのは、今だけだ」母と過ごす三日間。恩返しは、今からでも遅くない。かりゆし58の名曲「アンマー」に着想を得た書き下ろし感動長編。

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