三匹のおっさんふたたび(有川浩)



三匹のおっさん ふたたび (新潮文庫)

[感想]

三匹のおっさんの続編。読みたいと思っていたのがブックオフで見つけたのでさっそく買い。期待に背きませんでした。
今回は三匹のおっさんが活躍する場面はそれほどありません周囲の人達の話題で構成されています。全部で6話。
第1話は、清一の息子の嫁である貴子のパートづとめの話。なれない仕事での緊張感がよく伝わってきます。パート間でのお金の貸し借りのトラブル。人間関係の難しさが伝わります。
第2話は、本屋での万引きがテーマ。本屋の商い(もうけ)の仕組みや万引きされることの被害の大きさが具体的にわかって興味深かった。
第3話は、則夫の再婚話と娘の早苗の悩みがテーマ。父と娘で守ってきた生活。受験の悩みの中での再婚話。どう仕様もない早苗の気持ちの揺れがよく伝わってきました。
第4話は、久しぶりに3匹の登場。生ゴミの投棄がテーマです。犯人は意外な人物でしたが、その理由が語られるに連れて、なにかやりきれない思いが残りました。エピソードで清一が電車で座席を譲られる場面が出てきます。自分が譲られたらどう応対するのかな?
第5話は、町内会の祭りの復活と神輿の修理資金の調達の問題。費用を町民から集める苦労話がたくさん出てきます。大変なんですね。自分が頼まれたら簡単には出さないだろうなと思いつつ、興味深く読みました。
第6話は、3匹とは別の夜回りチームができたお話。その中のひとりが清一の妻、芳恵が初恋の人で、清一にライバル意識を燃え立たせているというから話がややこしくなります。男心の純情を笑っていいのかどうか、でも面白かった。
有川作品は、いつもスイスイと楽しく読ませてくださいます。
(2018.09.08)
:本の表紙画像をクリックすると商品ページへ移ります

ネットショップへのリンク


コメントをどうぞ

名前も記入してください

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。