首都感染(高嶋哲夫)


感想

強毒性のインフルエンザウイルスが世界中に蔓延し多くの人間がウィルスに感染し死んでいく中で、日本だけが対処が的確で被害を最小限に抑えることができたという、シミュレーション小説。
対処とは、首都東京にウィルスを封じ込めるというもの。具体的には環状8号線を協会にしてしまうというもので、封じ込めるのがいかに大変かということがリアルに描写されます。
その中で中心的な役割を果たすのが、瀬戸崎優司。悩みながらも一本筋を通すスーパーヒーローです。成功に導くためのいろいろなお膳立てが揃っていますが、読んでいて違和感がありません。ある意味ワクワクして先に読み進むことができました。
高島さんのクライシス小説では、非常に多くの人数が出てきますが、実際には主人公とその身近な人達との交流を通して、リアルな情景を常に目に浮かべることができます。
そして最後には心温まるエンディング。安心して読めます。
有ってほしくない危機、なるべく考えたくありません。でも万一起こったら、同行動してよいか見当もつかなくなるような危機。それに対しての行動指針を与えてくれる物語です。
この作品もみんなで読んでおくべき小説です。
(2019/09/17)

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