カエルの楽園2020(百田尚樹)

せせらぎの植物

感想

ネットで無料公開されていた時に斜め読みしましたが、その時は登場人物(カエル)のカタカナ名になじめなくて読むのに抵抗感がありました。「カエルの楽園」を読んだ後では本作はすんなりと読み進められました。”ハンドレッド”が作者の百田さんをもじっているのは気がつきます。”ツーステップ”というのも、読んでいるうちにあの人のことだと容易に気がつきます。ほかの名前についても誰のもじりか興味が湧きますが、それは内容とは外れていってしまうので詮索はやめます。
全体の感想ですが、新コロナウィルスが日本で広がり出した時の様子が作者の目で整理されていて、ウシガエル(中国)とナバージュ(日本)の関係などについては、なるほどそういうことだったんだと納得させれました。とくに終章IIIを読んで、日本が中国に頼りすぎている状況について少し考えてみます。
安い労働力でどんどんと生産拠点を中国や海外に移して言った過去。最近になって国内回帰が言われ出していたように思いますが、今回のことを契機にして加速していくでしょうね。多少高い買い物になっても、自分の国の産業を育てることにもっと重点を置いていかなければなりません。
廻りと仲良くするのは大事ですが、自国(自分)の立場や考え方、生き方がしっかりしていてこそ、地に着いた形でできることだと思います。(2020/08/18)
以下、裏表紙の紹介文を引用しておきます。

二匹のアマガエルがたどり着いた夢の楽園は悲劇的な末路を迎えたはずだったが、悪夢の翌朝、二匹はなぜか再び平和な地にいた。今度の世界では、ウシガエルの国で「新しい病気」が流行っていたが、楽園のカエルたちは根拠なき楽観視を続ける。しかし、やがて楽園でも病気が広がり始め……。国難を前に迷走する政治やメディアの愚かさを浮き彫りにし、三通りの結末を提示する、警告と希望の書。

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