なぜ中国は覇権の妄想をやめられないのか(石平)

花

サブタイトル:中華秩序の本質を知れば「歴史の法則」がわかる

「感想」

石平氏の著書集中読みの3冊中の2冊め。2015年の発行です。本書の内容はタイトルが示すとおりで、中国の歴代の王が中国の覇権を目指すことに命をかけてきたことと、その理由がよくわかります。そして習近平氏もその急先鋒だと知り、海洋進出についても本気で侵略を準備していることが伝わってきます。その考えかたにはとてもついていけません。でもそれが現実、そういう国を相手にしているのです。
中国との付き合い方の例として、朝鮮とベトナムの歴史を詳しく解説してあります。ベトナムについては徹底抗戦を貫いてきたことを初めて知りました。立派です。ベトナム人に尊敬の念が湧いてきました。
比べて日本はどうだろうか。これまでは傍観者的立場で良かったのが、中国が海洋進出に本気で取り組んでいる現状ではそれでは済まされない。シーレーンの確保はまさしく日本のこれからの命運を左右する問題です。その危機意識が共有されているとはとても思えません。
アジア包囲網の推進役などと生ぬるいことを言ってないで、日本への侵略を許さない態度をはっきりさせるべきです。日本は断固として領海侵入を阻止する、排除すると宣言してほしい。強い意志と態度を見せれば向こうは引っ込む、それが外交の駆け引き?(2021/05/17)
以下、本の帯のコピーを引用します。

山本七平賞作家が満を持して放つ斬新な極東興亡史
東京大学名誉教授養老孟司氏絶賛!
「中華思想」に中国自身がいかに縛られてきたか。
その切ない歴史と現代中国の考え方がよくわかる。
何があっても軍拡を続ける理由から、AIIB設立の真意までが浮き彫りに
「中華秩序」を粉々に破壊したのは近代日本だった!
中華秩序に対し、ある国はいかに中国に付き従い、ある国は徹底して抵抗し、そしてある国は距離をおいてきたかという「歴史の法則」を理解することで、じつはその法則が目まぐるしく移り変わる現在の国際情勢においても機能している、ということに驚くはずだ。(中略)仮にそこで東アジア情勢に雪解けの兆し」などのニュースが流れたところで、それは表層をさらった見方にすぎない。

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