日本国紀(百田尚樹)


感想

500ページあまりあり、読みきれるか心配でしたが、そういう事はありませんでした。項目が区切られていてそれぞれの内容は余計なことを省いてあり読みやすい。コラムが配置されていて理解が深まるのが良い。
各時代で取り上げられている人物や事件などは、日本という国を導くのに貢献したものが取り上げてあるんでしょうね。あまり知らされていない人物、例えば萩原重秀・ジョン万次郎・小泉忠順のことを知ることができてうれしい。
このあとは断片的な感想です。
日露戦争で勝利し賠償金を得られたことが日本人に戦争は儲かるものだと誤解してしまい、後々に悪影響を与えたんだ。
日本の外交上の失敗がどこにあったかが色々取り上げられている。
・外交とは国と国との騙し合いであることが理解できていない。
・アメリカがアジアへの進出のため満州の権益を要求してきたときに、譲っておけばその後の展開が変わったかも?という指摘は、なるほどアメリカが日本を敵視しだしたのはそういう事もあったからなんだ。
「戦争は絶対しない、たとえ日本が滅びても」という戦後からこれまでの極端な雰囲気がどのようにして形作られたのか、それがよくわかりました。WGIP恐るべし、それを継承した学者や教育者、戦後利得者恐るべし、です。
戦争をしないことと国防をしっかり考え実行していくこととは全く違うということが理解できました。日本国憲法を日本人のためのものに変えるための議論はこの本を読んで必要だと初めて感じました。

ここからは、全体的に感じた感想です。
日本を根本から変えていくためには、教育を変えて20年、30年のスパンでみていくしかありません。戦中戦後の歴史の教科書の内容を変えればいいのでは?と安易に思いつきましたが、今の日本人の大部分がこれまでの教育に染まってしまっている現状では、実現困難でしょう。

著者の百田さんは最後の最後にこう書いてます。

「今、彼らの嘘に気づき、GHQの洗脳から抜け出しつつある若い世代が増えている。彼らは失われた日本的なものの回復に向けて、静かに、しかし確実に動き出している。もはやその動きを止めることは誰にもできないだろう。私はそんな若者たちを見て感動している。」

どういう若者たちのことを百田さんは指しているのだろうか。私なりに解釈すると、物事を当たり前と思わずに疑問を持つこと、自分たちはどうあるべきかを考えること、そして愛する人たちをどうしたら幸せにできるかを希求する人でしょうか。そう思いたいです。
以下は、本の帯の紹介文を引用します。

私達は何者なのか……。神話とともに誕生し、万世一系の天皇を中心に、独自の発展を遂げてきた、私達の国・日本。本書は、2000年以上にわたる国民の歴史と激動にみちた国家の変遷を「一本の線」でつないだ、壮大なる叙事詩である!

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