[感想]
初めて読む作者の作品。一度途中まで読んでいたのを中断してました。今回ほとんどの本のストックを読みつくしてしまい再び読書再開。読んでも読んでもデジャブ―、結局第11章まですでに読んでました。ほとんど2度読みの状態。たぶん結末を読むのがもったいないと思ったんでしょう。
主人公の森尾が検察の取り調べに延々と付き合わされる話がほとんどです。本人にとっては冤罪としか思えないのに、検察は無理押しをしてくる。そのあたりの謎は最終盤で解き明かされることになるんですが、人の恨みというか、とんでもないとばっちりで有罪にされ、悪くすると死刑になりかねないなんて、ホントに恐ろしい。今の世の中本当にありそうで怖い。
一方で、山が好きな人たちの純粋な気持ちは、この作品では十分すぎるくらい書き尽くされてます。人は何のために生きるのか?誰に生かされているのか?そういったテーマは、過酷な山の自然の中でのチームワークを描くことで、明確にすることができるんですね。
浮世のドロドロと、山の純粋さ、それらを掛け合わせて、読者をひきつけてくれる作品です。
この作者の名前は憶えておきます。(2016.10.28)
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