影絵の騎士(大沢在昌)



影絵の騎士 (集英社文庫)

感想

[感想]

ケンがよく状況がつかめないままに行くところどころで事件や殺人が起きていく。読者もよくわからないままストーリーが進んでいく。近未来といいながら、映画とネットの世界のすみわけ、映画も盛んに上映されている設定。
映画を作るのにはものすごいたくさんの資金が必要で、当たれば大きいが外れれば大変な損失。当てるには大衆受けする作品が必要で、芸術性だけを追い求めていてはヒットはおぼつかない。こういった悩みはまさに映画の実態そのもの。そして資本も闇の世界から集まってくるところも現実そのもの。
この作品は、近未来といいながら、今の映画の問題をえぐり出したものともいえる。それをミステリー仕立ての大作に仕上げるのはさすが大沢在昌。
600ページ余りの作品を飽きさせずに最後まで読ませてくれて感謝。アマンダの最後はちょっとぞっとした。(2017.05.18)
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