家日和 いえびより(奥田 英朗)


家日和 (集英社文庫)

[感想]

久しぶりに読んだ奥田英朗の作品。この人の話は心が暖まります。好きです。6つの短編集ですが、それぞれ印象に残ります。
*サニーディ*
ネットオークションにはまった主婦がテーマ。私はやったことがないが、値段がどんどん吊り上がっていくのは病みつきになるだろうな。旦那の大事なレコード・プレーヤーを出品してしまい、それを後悔して取り下げようとしてできなくて焦りまくるシーン。解決策はなるほどでした。

*ここが青山*
会社が倒産して主婦になった夫と、替わりに勤めだした妻との日常がテーマ。夫が無職になったときの近所への気恥ずかしさは私にもよくわかります。それから主夫として料理の楽しみがわかってくるというのもわかります。これからもいつまでもこの状態が幸せな状態で続きそうな予感と余韻を感じさせてくれました。

*家においでよ*
倦怠期なのか特に原因もなしに分かれて家を出ていった妻。残された夫は、特に悲しむでもなく、だんだん家の中を自分が若いころやりたかった物で充実させていき、独身を大いに楽しむようになる。それを知った同僚や近所の男が、家に入り浸るようになる。最後は妻が戻ってきてハッピーエンドのようなんだけど、束の間の(2か月間)の独身生活、うらやましいような…

*グレープフルーツ・モンスター*
内職先の若い担当を意識し始めた途端、変な夢を見るようになった主婦。変わったテーマだけれど、こんなこともあるのかな?少し異色な作品。

*夫とカーテン*
転職を繰り返す夫と、それを半ば軽蔑している妻。それがカーテンの販売事業を始めて、それを軌道に乗せていく過程で、今まで見えていなかった夫の才能に妻が気づいていく。こんなふうなハッピーな展開は男ならだれでも夢見るだろうな。

*妻と玄米御飯*
売れない小説家の夫と、近所の主婦に勧められて始めたロハスにはまり込む妻。そして二人の子供。ロハスがどんどん家庭の中の中心になっていく過程。そんな自分や周りの様子を、ユーモア小説を得意とする夫が妻と玄米御飯というタイトルの小説に仕上げる。ただそれを発表すると、妻との関係が壊れてしまうのは間違いない。そこで夫がとった行動は…? ロハスを題材にして環境活動のいろいろな側面を考えさせてくれるのが興味深い。

どの作品も、お互いを思いやる心が根底に流れているように感じられて好きです。(2016.12.12)
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