死因不明社会2018(海堂尊)

こぶし

感想

Aiの導入と死因不明社会の解消に向けて著者が本気で戦ってきたことがよく分かる作品。

解剖率は先進国中最低レベルという日本の状況を変えようと、Ai(死亡時画像診断)の導入を訴える著者が、ブルーバックス『死因不明社会』を刊行してから10年。その後Aiの理解と導入は進んだが、未だ死因不明社会は解消されていない。その原因とは。文庫化に際し、この10年を振り返る新章を書き下ろし。

文庫本の裏表紙の案内文で上記のように書かれているとおり、かなりの部分がAi導入の訴えになっている。
著者の激しい感情がもろに表され過ぎていて、ところどころ難解なところもあるが、何度も何度も、いろいろな方面から主張されているうちに、Aiがなるほど必要なのねと納得させられてしまう。
子供の虐待が世間で騒がれるようになっている今日では、Aiがもっと活用されねばならないだろう。
Aiで情報が得られても警察が操作情報として隠蔽してしまうという状況は、変えていかねばならないだろう。
著者が主張しているように、日本の死因不明社会という現実を知らない、無知であることは罪であり、もっと積極的に真実を知ろうと努力し、改善に向けて声を上げていく必要がある。
(2020/03/22)

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