ハッピー・リタイアメント(浅田次郎)



ハッピー・リタイアメント (幻冬舎文庫)

[感想]

著者の浅田さんの実体験、借金を踏み倒した経験、”時効後、権利放棄の確認に来た集金人に、借金を返済した”から着想を得てこの小説が出来上がったとか。
借金を踏み倒した者にも、”返せれば返したかった”。という気持ちがあって、あとで人生に成功して大金を掴んだら、その時に集金人が現れたなら、借金を何倍にもして返すことで、長い間溜まっていたその者の自責の念をはらしてあげられる。

だから『時効にあった借金を集金してあげるのは善行である』という論理なんですね。
まだ?私にはそういう経験がないので、その心理はよくわかりません^^;
でもそういう心理があるということを了解して読み進めると、この小説はとても面白いです。

登場人物の、樋口・大友・立花、それぞれ何かちょっと普通とは”ずれている”性格の持ち主です。
そんな彼らが、回収した3億円を、自分たちのものにすることを計画します。

「善行をして、善意で集まったお金を自分たちが使うのは別に悪いことではない」という論理らしいですが、ちょっと理解不能。
ここら辺が、アラベスク(悪漢)小説の達人である浅田さん独自の領域、そして、出版社が幻冬舎であるゆえんかな?

ラストはこれでよかったのかどうか?本当にハッピー・リタイアメントであったかどうか?本人たちが納得すればそれは良しでしょう。
官僚の仕組みとかが、しっかりと書かれていて、そういうことを知ることができるだけでも、とても面白くてためになる?小説です^^
(2013.08.04記)
:本の表紙の画像をクリックすると商品ページへ移ります

ネットショップへのリンク


コメントをどうぞ

名前も記入してください

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。