武士の家計簿(磯田道史)

花

サブタイトル:「加賀藩御算用者」の幕末維新

感想

テレビの歴史番組でおなじみの磯田道史氏の著書です。氏の紹介で目にする「武士の家計簿」を読みました。奇妙なタイトルだと思ってました。江戸時代に家計簿という名前のものは存在しませんが、内容は文字通りそのものです。幕末から明治維新、大正時代までの猪山家の生活が詳しく分かる資料を手にした磯田氏が、苦労の末解読して本書に仕上げました。
本書を読んでみて、たしかに武士にも生活があったんだなと納得です。幕末や明治維新の激動の中で、うまく乗り越えられた者もあれば、没落したものもある。猪山家は大成功した部類に入るわけですが、家計簿を読み解く中でその成功の要因も著者によって探り当てられます。
幕末から明治維新にかけての庶民の生活の様子なんて、今まで考えてみることもありませんでしたが、本書によってその一部を垣間見ることができた、それも興味深く知ることができたという思いです(2021/05/09)

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