銀行狐(池井戸潤)

芽吹き

感想

長編でじっくりと物語っていく作品が多い池井戸潤さんの作品の中では珍しい短編集。その中の一つの「銀行狐」、変な題名です。銀行に脅迫状を送りつけた犯人が自分をキツネとよんでいることが直接の理由のようですが、銀行をキツネのように化かすという意味合いかな。
銀行の内部のことを知り尽くした犯人に銀行が散々に翻弄されます。その謎解きがミステリー小説になっています。それだけでなしに、バブル時代のバカ騒ぎの一つで変額保険騒動というものがありましたが、それに翻弄され泣かされた人々を描くのもテーマになっています。いつの時代になってもお金に振り回されることがなくならないということを教えてくれますね(2020/04/20)
裏表紙の紹介文を引用しておきます。

狐と署名された脅迫状が、帝都銀行頭取宛に届けられた。「あほどもへ てんちゅー くだす」。具体的な要求はないが、顧客情報漏洩、系列生保社員の襲撃と犯行はエスカレートする。狐の真意と正体は? (「銀行狐」)。元銀行マンの江戸川乱歩賞作家ならではの緻密でスリリングな表題作ほか、5篇収録の短編集。

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