ぼくらの死生観ー英霊の渇く島に問う(青山繁晴)

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サブタイトル:新書版「死ぬ理由、生きる理由」

『感想』

本書は大東亜戦争のことについてこれまで大事なことが全く知らされてこなかった事実を教えてくれます。そして考えさせてくれます。必読の書です。
硫黄島(いおうとう)で日米の戦い、本土爆撃を一日でも遅らせようと島を死守しほぼ全滅させられた日本軍。同数以上の死傷者を出した米軍。1万体以上もの遺骨が取り残されたままなこと。合同慰霊祭のこと。初めて知ることが多すぎます。
国内のことでありながら遺骨収集が進まなかったこと、せっかく進みだしても、すでに時遅し、なかなか回収が進まないこと、悲しくなります。
青山氏は、日本の将来を思ってその礎になってくださった人たちの遺志を、よく理解してそして前に進むのがいちばん大切だと説いているように思います。
青山氏のような心ある人の思いがなぜ日本を動かせないのか?
かなりの賛同者がいるようなのにそれでも日本が動かないのはなぜ?
誹謗中傷がまかり通る世の中が悲しくなります。

自分に問いかけてみました。
日本人は敗戦の原因について本当には反省していないからではないか?何もかもが軍部を悪者にすることで有耶無耶にしてしまった。
米国に押し付けられた憲法だとか、それが改憲できないとか、そういうことが本質でななくて、今の日本のままでも、無理して変わらなくても、これまでなんとかできてきたから、これからも大丈夫という気分が蔓延。国民一人ひとりが、今のままでは破滅してしまうと危機感を持ち自分が行動しないといけないという意識を持たないと何も始まらない。
ただ不満や文句を言っているだけ。日本は、結局は、外圧がないと何も動かない国民性なんでしょうかね。恨めしくなりました。(2021/10/28)

以下、本の表紙の説明文を引用します。

硫黄島の英霊の方々が
僕らに伝えてくれる、
日本のいちばん大切なもの
海から祖国が蘇る!

わたしたちは
どうやって生きるか。
そのヒントというのは、
ほんとうは天があちこちに
用意してくださっていると思います。
どんなに勉強していい大学に行っても、
望む就職をしても、いずれ死ぬ。
先には真っ黒な虚しさが
逃れようもなく待っているのに、
なぜ、生きるのか。…本書より

第二次世界大戦末期、アメリカ軍との激戦の末に占領され、返還後は立入禁止となっている硫黄島。この島には今も、1万1千人以上の兵士の方々のご遺骨が取り残されたままである。2006年、正式な許可を得て、硫黄島を訪れた経験を持つ青山氏は、この事実と問題解決を様々な場で訴えてきた。2014年5月25日から30日までの日程で実施された「にっぽん丸小笠原・硫黄島クルーズ」。そのクルーズで青山繁晴氏の講演「海から祖国が蘇る」が3回にわたって行われた。3回にわたる魂の講演をすべて収録し、さらに航海の模様と硫黄島の姿を32ページのカラー口絵写真で紹介する。また、新書化に当たって、新たに99ページに及ぶ書き下ろし原稿、「この書が新書として再生する朝は、こころの晴れ間です」を収録。

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