マグレと紅白歌合戦(鯨統一郎)



マグレと紅白歌合戦―間暮警部の事件簿 (小学館文庫)

[感想]

この本は、「莫迦ミステリー」に分類されるそうです。
「莫迦ミステリーというのは、決して悪い意味ではありません。
事件の設定も、トリックも、実に初歩的で、ばかばかしいミステリーという意味です。」
(小林信彦氏のエッセイより引用)
テレビ番組では、ちょくちょくお目にかかるが、小説になるのは珍しいとのこと。
私には、珍しいというよりも、ちょっとあっけにとられる話の内容とストーリーの展開です。

奇妙な殺人事件が続いた後、今度は、裏紅白歌合戦が開かれて、日本を代表する歌手の歌が次々に披露されていきます。
その中で、なんとイカの歌の歌詞が書き連ねられます。

郷ひろみの「マイ レディー」
布施明の「シクラメンのかほり」
藤圭子の「圭子の夢は夜ひらく」
谷村新司の「昴」
尾崎紀世彦の「また逢う日まで」
由紀さおり・安田祥子の「故郷」
デュークエイセスの「おさななじみ」
フォーリーブスの「地球はひとつ」
キャンディーズの「年下の男の子」
青江三奈の「伊勢佐木町ブルース」
水前寺清子の「三百六十五歩のマーチ」
森進一の「おふくろさん」
森昌子の「おかあさん」
八代亜紀の「なみだ恋」
ザ・ピーナッツの「恋のフーガ」
GLAYの「軌跡の果て」 (わたしはこの歌知らない^^;)

北島三郎の「函館の女」
三波春夫の「世界の国からこんにちは」
美空ひばりの「真っ赤な太陽」

びっくりした―。この小説って、歌詞集なの!?
心配でしたが、巻末には、日本著作権協会の許諾表示がありました。

昭和歌謡史の解説か?
鯨統一郎って、本当に変な(偉大な?)作家です。

以上で、ブックオフでまとめ買いしたこの作者の本8冊を読み終わりました。
面白い本、疲れる本、新鮮なテーマの本、バラエティーに富んでます。

もう一度、唯一、手元に残してある、「富士山大噴火」を読み直したくなりました。(2012.08.31記)
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