真夏の島に咲く花は(垣根涼介)



真夏の島に咲く花は (中公文庫)

[感想]

文庫本とはいえ、ほぼ500ページの長編。垣根涼介ファンの私は、ブックオフで108円だと迷わず買います。著者の垣根さんは、本当に南米とか南洋の島が好きみたいですね。
この本は、フィジーでの若者たちの交流と、社会の中で生きていく姿を延々と書いていきます。
巻頭にフィジー諸島?の地図が掲げられてますが、主に3つの島で成り立つらしい。西経180度と東経180度の子午線が通過する国なんですね。こういうことを知るだけでも買った意味があった。
主人公はナンディ。朴訥で、都会から来た人間からはどうにもならないダメ人間にしか見えないのだけれども、なぜか人望がある。
島にはフィジー人と、インド系、そしてごく少数の日本人。
どうにもならないフィジー人とインド人との間の軋轢が、ずっとこの物語のベースにあります。作中で、人は何のために生きるのかといったことが何度も問いかけられますが、話を読み進めるにつれて、フィジー人のような生き方もありかな?と思わせられます。それが作者の狙いなんでしょうね。
垣根涼介の作品は、登場人物は決してスーパーマンではありませんが、どこか芯が通っている人物が登場することが多い。それから、いろいろと悩みを抱えている人間らしいんですね。この本もその中の一つ。垣根涼介のファンだったら読んでみてもいいかな。(2017.01.20)
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