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フレンズ シックスティーン(高嶋哲夫)

芽吹き

感想

まだ雪が残る神戸・ポートアイランドで銃声が響いた。その瞬間、十五歳の私の目の前で、親友のユキは、全てを失ってしまった。母親を銃で撃たれ、父親と妹を轢き殺されたのだ。そしてユキは心を閉ざした。誰もが暴力団の抗争に巻き込まれた不幸な家族と哀れんだ。でも、私は、そして四人の仲間は、ユキから言葉を奪った人間たちが許せなかった……。

文庫本の裏表紙の紹介記事を引用しました。
作品の殆どの部分がここから出発して暴力団への5人の復讐が続きます。人を3人も殺してしまい、更に復讐を続けていこうという展開は、この後はどうなってしまうのだろうと思ってしまいます。
後半からは大人が参加して最後は大騒ぎで終わるんですが、ちょっとハチャメチャな感じで、高嶋さんの作品としては異色かもしれません。昔読んだ赤川次郎さんの感じを思い出しました。
16歳という子供からおとなになる子どもたちの不安地な心情を、ひとつの極限状態に置いて描いてみた作品のようにも受け取れます。エンターテインメントとして読むべきなんでしょうね。
(2020/02/16)

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