お酒が身体の代謝機能に及ぼす影響

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人は、生命維持活動に必須なエネルギーの獲得や成長に必要な有機材料を合成するために、いろいろな生化学反応を身体の中で行っています。それを代謝といいますが、お酒を飲みすぎると代謝機能が損なわれます。
ここでは、お酒の飲み過ぎが身体の代謝機能に及ぼす影響について説明します。

アルコールで身体から失われる栄養素

アルコールを摂取すると、胃や小腸で吸収されてから肝臓に送られ2段階で分解されます。
アルコールは、肝臓でアルコール脱水素酵素(ADH)によって毒性の強いアセトアルデヒドに分解され、さらにアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって酢酸に分解され、酢酸は水と二酸化炭素に分解されてから体外へ排出されます。

肝臓では、食物から吸収された動物性・植物性の栄養素を別の成分に変えて貯蔵し、必要に応じて、これらを分解してエネルギーになる物質を作り出しています。肝臓でつくられた物質は血液中に送り出され、全身の器官や臓器に供給されます。

このように、肝臓は栄養素をからだが利用しやすい形に分解・合成する「代謝」という重要な働きをしています。

肝臓は、アルコールから作られるアセトアルデヒドの解毒を優先します。解毒のためには、タウリン、セサミン、 Lシステインなど大量の栄養素を必要となります。

多くの栄養素は肝臓で代謝されますが、解毒作用が優先されるために、いくつかの栄養素(ビタミンA、ビタミンB、炭水化物など)の吸収が阻害されてしまいます。

飲酒中は、アルコールの利尿作用のために、ナトリウム、カルシウム、亜鉛などが過剰に排出されます。水分補給では、これら過剰に排出された栄養素は補えないため、 脱水症状を引き起こします。
(参考:アルコールによって失われる栄養素

アルコールの過剰摂取が脂肪肝などの肝臓障害を引き起す

アルコールの過剰摂取でアセトアルデヒドが肝臓内で十分に分解されないことが繰り返されると、アセトアルデヒドが脂肪の分解を抑制し同時に脂肪酸(中性脂肪の原料)の合成を高めるため、肝細胞内に中性脂肪がたまりやすくなります。

中性脂肪の合成を高めるピークはアルコールを飲んで12時間後。合成された中性脂肪は、肝臓から体の各部の抹消組織へ運び去られるまでにさらに12時間という長い時間がかかります。

大量の飲酒を続けることで、肝臓に負担がかかり続け、アルコール分解の際に中性脂肪の合成が促されて、肝臓に脂肪がたまっていきます。

毎日毎日アルコールを摂取していると、次々に新たな中性脂肪が合成されてしまい肝臓の中性脂肪処理能力を超えてしまうため、肝細胞に脂肪がたまりすぎてついには脂肪肝となってしまいます。

アルコールの摂り過ぎが原因で脂肪肝となった状態がアルコール性脂肪肝と呼ばれます。

脂肪肝の状態ですと、肝臓の細胞の中を脂肪分が占めてしまうため、血流が悪くなり、酸素や栄養が肝臓全体に上手くいきわたらなくなり、肝細胞が破壊されたり肝臓自体の機能が低下します。

脂肪肝を数字で表すと

肝臓の細胞に30%以上中性脂肪がたまっている状態をいいます(健康時は10%程度)。

食事で摂った脂肪は、小腸で脂肪酸に分解されて肝臓に送られ、肝臓で脂肪酸から中性脂肪がつくられますが、アルコールが分解されるときの代謝で肝臓内での中性脂肪の合成がさらに促されます。

糖分や脂肪分など中性脂肪の原因となる食べ物を食べ過ぎて糖質や脂質を摂りすぎると、肝臓に送られる脂肪酸が増えますが、さらにアルコールの飲みすぎで中性脂肪の合成が加速されて肝臓に中性脂肪がたまりやすくなるわけです。

脂肪肝になりやすいアルコール量

1日3合程度の日本酒の飲酒を2-3年間、毎日続けると脂肪肝になる危険性が高くなります。この量は、純アルコール60gに相当します。
アルコール60gは、ウィスキー(43度)で180ml、ダブル3杯に相当します。これを2-3年間毎日続けると、脂肪肝になる危険性が大きくなります。(個人差があります)

お酒をちびちびと飲んでいればよいということではありません

脂肪肝やその他の肝機能障害の原因は「飲酒のアルコール量」と「飲み続けた期間」の積み重ねにあることは肝に銘じておかなければなりません。

肝機能を示す指標について

健康診断などでよくお目にかかる肝機能の指標をいくつか紹介しておきます。
(基準値等の数字は見る資料でばらつきます。変更されることもあります。参考値と考えてください)

γーGTP(ガンマジーテーピー、ガンマグルタミルトランスペプチターゼ)

解毒作用を行う代謝酵素。肝臓や胆管の細胞が壊れたことの指標。
基準値:50以下
飲酒(アルコール)に敏感に反応する指標です。
わたしはこの指標がずっと高かったので、いつも医者から注意されていました。

ALT:アラニントランスアミラーゼ

主に肝細胞に存在する。GPT(グルタミン酸ビルビン酸転移酵素)は以前の名称。アミノ酸代謝やエネルギー代謝の過程に係る酵素。
基準値:0から30IU/L
血液中の半減期:40から50時間
ALTが14から16の人に比べ、ALTが29以上の人のメタボリックシンドローム発症リスクは約2倍だそうです。

AST:アスパラギン酸アミノ基転移酵素

心臓の筋肉、骨格筋の細胞、肝臓に存在する酵素。
GOT(リンゴ酸アスパラギン酸シャトル)は以前の名称。
TCA回路で生じた電子をミトコンドリア内膜を介して移動させる生化学反応系で用いられる。
基準値:0から30IU/L
血液中の半減期:11から15時間
ここでTCA回路(クエン酸回路)とは、トリカルボン酸回路(tricarboxylic acid circuit)は、肝臓でブドウ糖を合成する糖新生の代謝経路のことです。

私の肝機能の実態

γ-GTPは40代からずっと高かったのですが、この1年でALTとASTが基準値を超えるようになりだしました。いよいよ肝臓が危なくなってきたなと危機感が募ります。

(参考情報)肝臓でアルコールが解毒される過程とそれに寄与する酵素

肝臓でアルコールが解毒される過程:アルコール⇒アセトアルデヒド⇒酢酸⇒(水と二酸化炭素)

ADH(アルコールデヒドロゲナーゼ)

アルコール脱水酵素
アルコールをアセトアルデヒドに分解する。

ALDH(アルデヒドデヒドロゲナーゼ)

アセトアルデヒド脱水素酵素
アセトアルデヒドを酢酸に分解する。

(参考情報)BMIも脂肪肝についての目安になる

BMIが25以上が、脂肪肝を疑う目安になるようです。
BMI = 体重(kg)/(身長(m)x 身長(m))の式で算出できます。

たとえば身長が1.72mの場合は、BMIが25になる体重は73.6kg。
それ以上だと脂肪肝の恐れありという具合。

脂肪肝から肝硬変へ!

習慣的な飲酒による慢性肝炎等で肝臓が持続的に傷つけられるような状態になると、肝細胞破壊と修復が繰り返されます。修復が追いつかなくなるに従い、肝星細胞や筋繊維芽細胞が増殖しコラーゲン繊維が多量に作られるようになります(肝線維化)。さらに慢性的な障害が続き重篤な症状になった状態を肝硬変といいます。

アルコールを毎日135g(日本酒にして5合)以上飲み続けた大酒家は10年で5人に1人、15年で過半数が肝硬変になります。
日本酒を1日に3合以上を5年以上続けて飲んでいる場合は常習飲酒家、1日5合以上10年以上飲んでいる場合を大酒家と呼びます。

ちなみに、日本酒3合は、ビール大瓶3本、ウィスキーダブル3杯(180ml)、焼酎2合、グラスワイン6杯に相当します。

肝臓を労わるお酒の飲み方とは?

成人が1日に飲むアルコールの目安は20g程度まで。この値は厚生省のホームページで推奨している値なんです。

ビールなら中ビン1本、日本酒なら1合(180ml)で、体重が60から70kgの人がアルコールを分解するのに3時間かかる量です。

アルコールの摂取量に比例して中性脂肪が上がります。成人の1日の純アルコール量は20g程度までとし、週2日間のお酒を飲まない日(休肝日)を設けるのが理想的です。

純アルコール20gに相当するお酒の量

焼酎(25度)    0.6合(110ml)
ビール(5度)    中ビン1本(500ml)
日本酒(15度)   1合(180ml)
ウィスキー(43度) ダブル1杯(60ml)
ワイン(14度)   グラス1杯半(10ml)

私の実態

ここまでの全体を見渡してみます。
アルコール性脂肪肝が40歳代から継続。肝硬変に移行しても不思議じゃなかったかも?
アルコール摂取量も休肝日無しでちびりちびり飲み続け状態。
破綻寸前なことを改めて実感。

さらに追い打ちをかけるように調べが続きます。
次の記事は⇒お酒の飲みすぎによる身体への影響


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