痛風の発作はある日突然起こりますが、発作に至るまでの長い積み重ねがあります。
痛風そして痛風の発作とはどういうものかを具体的に説明していきます。
- 痛風とはどのような状態をいうのか?
- どのようにして痛風が発症し、発作が起こり、その後どのような経過をたどるか
について説明します。
痛風の発作が起こる仕組み
痛風とは
痛風は、尿酸が何らかの原因によって身体の中に過剰に作られる(尿酸産生過剰)、あるいは尿酸が身体からうまく排出できない(尿酸排泄低下)、このどちらかか両方の要素で体内の尿酸値のバランスが崩れ、血液中の尿酸値が基準値以上の状態(高尿酸血症)になって始まります。
尿酸値が高くなる過程は3とおりあります
- 尿酸産生過剰型:排泄量は正常で、産生量が多いタイプ
- 尿酸排泄低下型:産生量は正常で、排泄量が少ないタイプ
- 混合型:産生量が多く、排泄量が少ないタイプ
痛風の発作
痛風自体は自覚しにくいのですが、発作という形で激烈に自覚させられます。
痛風の発作は身体のいたる所で起こります。
関節での発作の場合では、関節に付着した尿酸塩が何らかのきっかけで関節液中に剥がれ落ち、白血球がそれを異物だと認識し攻撃することで起こります。
白血球が尿酸塩を攻撃する時に、炎症を起こす物質を分泌します。それが痛風関節炎、いわゆる痛風の発作という状態になります。
痛風発作が起こると、痛みはどんどん強くなり、関節が熱を持って赤くはれてきます。
発作は、発生から24時間ぐらいでピークとなります。
足で発作が起こると、ひどい痛みのために靴もはけず、寝るときに足にふとんがかけられないという状態にもなります。
痛みは7~10日ほどでおさまり、関節のはれも引いてきます。最初の痛風発作の場合は、多くの場合、激痛の発作を起こす関節は1カ所のみで、ほかの関節に発作が起こることはありません。
一旦発作がおさまると、以前の何も感じない状態に戻ります。これが痛風の怖いところです。まさに「喉元過ぎれば熱さを忘れる」
痛風の発作は再発し繰り返し起こります
痛風発作がいったん治まっても、そのあと治療を受けずにほうっておくと、6カ月から1年後には同じような発作を再び起こします。喉元過ぎれば熱さを忘れると言いますが、世の中はそんなに甘くはありません。激烈な痛みは再びやってきます!
そんな発作をくり返しているうちに、発作の間隔が短くなり、足首やひざなど、ほかの関節にまで発作を起こす場所が散らばっていきます。こうなると、日常生活に支障をきたす期間がとても長くなります。
はじめての痛風発作を発症してから10年ほどたつと、痛風は慢性期となり、しこりのようなコブのようなもの(痛風結節)が、手や腕、耳などにできてしまうことがあります。
私も、左足の人差し指にできてしまいました。
痛風の3つの状態
一口に痛風といいますが、痛風は3つの状態をまとめた総称です
- 痛風の発症:高尿酸血症状態が持続すると、血中に溶けきれなくなった尿酸が、関節などに尿酸塩の結晶として蓄積し出します。
- 急性状態:しばらくは痛風発作を起こしていない状態(症状のない状態)が続きますが、何年か経過して初めて痛風発作を起こします。
- 慢性状態:そのあと高尿酸血症状態を放置していると、短期間に何度も痛風発作を繰り返す状態になってしまいます。
痛風の発症状態の時に対処すれば後戻りできますが、気づかないまま過ごしてしまいがちです。これが痛風の怖いところです。
尿酸の産生と排泄のバランス
痛風の発症状態が継続すればするほど、その間に尿酸塩の結晶が蓄積されてしまいます。
尿酸値を上げないために、尿酸を体内で作り出すこと(産生)と尿酸を体外に出す(排泄)のバランスのよい日常生活を過ごさなければなりません。
尿酸の産生と排泄のバランスが崩れてしまうのには、次のようなさまざまな要因が挙げられます。
尿酸の産生が過剰になる要因の例
- プリン体の多い食事や大食
- 飲酒
- 激しい運動
- 肥満
- がん
- 遺伝的な要因
- ストレス
- 大きな外傷、熱傷
尿酸の排泄が減少する要因の例
- 遺伝的な腎臓の尿酸排泄低下
- 飲酒
- 激しい運動
- 肥満
- 腎臓の病気
- 一部の薬剤(利尿剤、抗結核薬、免疫抑制剤など)
(引用元:尿酸下げよう.com 痛風だけじゃない 高尿酸血症のいろいろ http://243sageyo.com/ua/mechanism/)
私の場合は、飲酒、肥満が該当すると思います。
痛風の発作が起こるきっかけ
尿酸塩の結晶が関節内に沈着しているだけでは、痛風発作は起こりません。
何かのきっかけがあって急激に尿酸値が上がるか(あるいは急激に下がるか)、または患部に物理的な刺激が加わって関節液中に尿酸塩結晶が放出されることで痛風発作が誘発されます。
痛風発作のきっかけは、いろいろあります。
- 激しい運動 … 激しい運動をして汗をかくと体内から水分が減り、尿酸値の急激な上昇をまねきます。また、ATPというエネルギー物質が急激に消費されると、尿酸の原料となるプリン体がたくさんつくられます。
- 過食やアルコールカロリーのとりすぎやアルコールの飲みすぎ、また、高プリン体食品やたんぱく質の過剰摂取も痛風発作の誘因となります。
- 強いストレス … 人間関係のトラブルや仕事上で強いストレスがかかると、痛風発作のきっかけになる場合があります。また、外科手術の直後も発作が起きやすくなります。いらだちやあせりからくる発汗や脱水なども、尿酸値上昇の誘因となるといわれます。
- 患部への物理的刺激 … 患部付近の打撲やねんざ、長時間の歩行、きつい靴で足を締めつけることなどによる外傷なども、痛風発作のきっかけになります。
- 薬物治療の初期 … 尿酸値を下げる薬物治療の初期段階で、急激に尿酸値を低下させると、痛風発作が起こりやすくなります。
- 体温の低下 … 体温が下がると、尿酸塩の結晶化か促進され、そのため結晶がはがれ落ちやすくなるといわれます。
- 水分不足 … 体内の水分が減少すると、血液中の尿酸値が上昇し、痛風発作を起こしやすくなります。
(引用元:病気ナビ 原因、症状から治療方法までわかりやすく解説します http://byoki-navi.com/tufu59.html)
私の場合は、激しい運動、アルコール、患部への物理的刺激、水分不足が該当しました。
痛風発作が起こる前には、前兆らしいものを感じることがあります。
足のある部分が、ちょっと痛い・ピリピリする・しびれたように感じる等、様々な違和感を感じることが過去に何度もありました。ぞれが全部発作につながったわけでなく、しばらくすると治まることもありました。
また、かなり痛みが激しくなることもありましたが、発作の痛みというまでには至らずに治まったということも何度かありました。
そういうことに味を占めて、痛風を甘く見過ぎていましたね。
私が近年経験した痛風発作の波状的な再発は、悪条件がいくつも重なったとはいえ、起こるべくして起こったという反省があります。
自分の身体には、尿酸塩結晶の蓄積が何か所もあって(地雷のようにいつ爆発してもおかしくない状態)、それなのに発作のきっかけを作ってしまった(自分で地雷を踏んでしまった)ということが、痛風についていろいろ調べてみて反省させられます。
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