県庁おもてなし課 (角川文庫)
[感想]
有川さんの郷土愛が目いっぱいに詰まった作品。
この本自体が、とても立派な高知県の観光案内になっている。
登場人物の掛水、吉門、多紀、清遠、そして佐和。皆人間的な魅力があって私は好きだ。
吉永と掛水の関係、最初はダメダメだった掛水が吉永に鍛えられた成長していく。最後は吉永を追い越してしまう?カッコよくなった。喝采!清々しく読める。
舞台が県庁ということで、お役所仕事の効率の悪さ、その理由などがとてもわかり易く説明されている。なるほどなと納得。こういうところが読んで得をするところです。
作品の中で、私と作者と同じ感覚を持っていることが確認できてとても気に入ったことが一つあります。それは、高知県レジャーランド化計画の第一歩として、「トイレの整備」を[案内標識の整備」を第一に取り上げたこと。
たまたま私が先日、横浜市の中期計画のパブコメに応募した内容が、ドンピシャでそのものだったんです。私も、何よりもトイレを良くすることが第一だと強く感じていたので、自分の感覚の正しさに気分を良くしてしまいました。横浜市の観光関係の職員諸氏にもぜひこの作品をオンでもらって実践してもらいたい!
とにかく、この「県庁おもてなし課」は有川さんの筆も進みやすかったんじゃないかな。読書の私も、次はどのような展開が待っているのか、ワクワクして次へ次へと読むことができました。
久しぶりに、読んで気分が爽やかになる作品に出会えました。良かった。(2018.08.20)