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新しい日本人論(加瀬英明、ケント・ギルバート、石平)

あじさい

『感想』

日本人とその他との違いは、日本人は人間は自然の一部と考えるが、その他は自然は神が人間に与えたものだと考える。これが大きな違いとなっていることが本書を読めば納得がいきます。八百万の神がいて、生き神様が現れてくる、そして自分たちも神の領域に達することができるように自分の職分で日々精進する。そういうことなんですね。だからどんな外圧や環境変化にも一旦は受け入れてそれを消化してきた歴史があります。だから日本は世界の中でも強い国民だということには納得がいきました。
日本人は性善説で物事に対処するのが「弱み」だといいます。日本以外は「性悪説」で物事に対処するから日本人は負けてしまうと説きます。勝ち負けをはっきりさせないとか、和を重んじるとか、そういうことは日本の国内だけであれば成り立ってきたけれども、今の世の中は、日本を取り巻く環境が変化して、うかうかしていると日本が滅ぼされてしまうかもしれない瀬戸際にあります。「日本がどこかの民族に乗っ取られてもそれでも戦いを望まない」というのでは、まさに百田尚樹氏の「カエルの楽園」を地で行ってしまいます。
「強み」と「弱み」は表裏一体の関係にあるみたいに感じます。現状のままだとこのままズルズルとなってしまいそう。日本は今まで、明治維新にしろ大東亜戦争の敗北にしろ、外圧によって大きな変化を成し遂げてきました。この次の大きな外圧が来るのを待たなければいけないんでしょうか。そうなったときに誰が助けてくれるのか?神頼み?自分でなんとかするしかなさそうですけどね。
物事の本質をよく考えて行動していくことがとても大切だと再認識してしまいました。(2021/07/22)
以下、本の表紙の説明文を引用します。

その「強み」と「弱み」
日本人はいつその凄さに気づくのか!?
米国、中国出身の知日派の二人
保寿派の重鎮が語る日本再生への処方箋
日本、中国、米国の視点から
日本人の「強み」と「弱み」を分析
令和という新しい時代を迎えた日本だが、グローバル化がますます進展するなかで、我が国を取り巻く国際情勢は、かつてないほどんい緊張感をましている。米中貿易戦争や香港デモ日韓問題など、国家間の距離が縮まっているからこそ、日本人が、いかに日本人としてのアイデンティティを形成していくかが、重要になってくる。文化に根差したアイデンティティとは何か。比較文化論的な視点から論じていく。

日本の「強み」つくりかえる力・八百万の存在との共生・二六00年つねに新しい
日本の「弱み」性善説で物事を考える・国を守る人間へのリスペクトがない・依存心が強く自立していない

混迷の時代に日本の「強み」をいかに活かすか!?

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