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言語道断(櫻井よしこ)

感想

本書は櫻井よしこさんが週刊新潮のコラムに連載した2019年分をまとめたものです。今から2年ほど前の比較的最近の日本を取り巻く情勢をおさらいすることができます。
櫻井さんの著書を読むのは「大人たちの失敗」が初めてで、その後の著作を読みたいと思っていました。ブックオフで3冊新書を買い求めたあとで、さらに入手したのが本書でした。執筆の古い順に読むつもりでしたが、最後に買って一番出版の新しい本書に飛びついてしまいました。
読んでみた感想を一言でいうと、日本の状況は変わっていない、ますます悪くなっているということに尽きます。「憲法」、「中国」「韓国」いずれもそうです。それらの状況をまとめて、本書の”はじめに”でまとめてありますが、”占領軍お手製の国家なき日本国憲法を現在まで戦後75年間、全く変えずに来た日本人の問題意識の欠落こそ、言語道断だ。””武漢ウイルス禍の最中、日本の脆弱性が明らかになった。待ったなしの改革が必要だ。それを否定することは日本の未来を閉ざすに等しく、言語道断なのである。”という言葉で締めくくられています。
週刊誌の連載ということで、本文は時系列的に起こった話題を取り上げて論評が続きます。どれも納得の行く内容ですが、読めば読むほど、わたしたちはなんとかならないのかというじれったさも募ります。
今の日本は傍観者は許されない。”どうせどうにもならない”というあきらめムードでは、自分で自分の首を絞めるだけという切羽詰まった状況ですね。
以下は本文の最後のあたりの一番印象に残った事例についての感想です。
原子力発電所内に火災報知器を増設することが義務付けられた話題が取り上げられています。ちょっと見るだけではなんの問題もなさそうですが、取り付けた火災報知器と中央の制御盤との配線をするためにわざわざ約2000本ものケーブルを張りめぐさなければならず、作業員の被ばくを避けるために厚さ1~2メートルのコンクリート製の遮蔽癖や耐震壁にドリルで穴をあける工事が必要だといいいます。何のために防護壁を作ったのか、それを自ら弱める行為を規制委員会が義務付けています。馬鹿げてます。それが原子力規制委員会が何年もかけて決めたことの一つだということに。規制ばかりを増やしているといいます。目先のことばかりにとらわれているように思えます。日本はどうかしちゃったんでしょうか?一体どうなったんでしょう?
この一つの事例を知っただけでもっともっと日本の現状に目を向けて正しいことを知るようにしなければならないと思いました。(2021/02/23)以下は本の帯の紹介文の引用です。

国民を欺き、惑わし、国難克服への道を阻む敵を斬る!!
日本が真っ当な独立国にならない限り、この美しい国も心優しい国民も、究極的には守れない。
武漢ウィルス禍の最中、日本の脆弱性が明らかになった。待ったなしの改革が必要だ。それを否定することは日本の未来を閉ざすに等しく、言語道断なのである。

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