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埋蔵金発掘課長(室積光)

感想

「史上最強の内閣」が真面目なテーマを扱いながらユーモア一杯で面白かったので、室積さんの作品に注目してます。
「埋蔵金発掘」というテーマは変わってます。それも市役所の仕事として取り組むということ自体がありえない?ことです。市の財政を立て直すために一山当てようなどという市長の目論見が発端なので、最初は密かに始められますが、いつの間にかマスコミの注目をあびることになってしまいます。
お話は中盤は中だるみのように進んでいきますが、後半になって太平洋戦争の終戦間際の特攻兵器が絡んできてからは、俄然、これまで知られていなかった真実がどんどん明らかにされていき、読者にも歴史への目を開かせてくれます。
国家が行う人殺しが戦争であり、それにお国のためということで盲従的に従った、率先して取り組んだ国民一人ひとりのあり方を問うているようです。
埋蔵金発掘が町興しに結びついてハッピーエンドですが、市の事業としては費用の面で埋蔵金発掘課の継続はできない。だから株式会社を起こして日本国内の埋蔵金発掘に乗り出していくいう展開を見せて、本作品はおわります。
埋蔵金伝説は日本の中にはいくつもあるようです。ぜひ続編を書いてもらって読ませてもらいたいです。
(2019.06.09)
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