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愛しの座敷わらし(荻原浩)


愛しの座敷わらし 上 (朝日文庫)

[感想]

お父さんの転勤で、一家で田舎に引っ越してきます。父親が強引に古民家に住むことにします。始めは馴染めなかった一同ですが、梓美に友達ができます。そして智也にも、不思議な友達?が・・それが座敷わらしなんですね。こんな感じで、淡々と上巻が進みます。

そして、下巻。
だんだん不便な生活にも馴染んでいく一同。
時々出現する座敷わらしの見え方は、家族一人一人に対して、違います。
智也とおばあちゃんにははっきり見えるのに、梓美やお母さんは、鏡越しにしか見えない。お父さんには、全く見えません。
純粋な心を持っている人だけに座敷わらしが見えるという設定なんです。そして、聞かされた座敷わらしの悲しいいわれ・・・

ずっと怖がっていたお母さん達にも、座敷わらしへ親しみが生まれます。座敷わら市にやさしくしてあげたいという気持ちで、家族のきずなが深まっていきます。
再び、都会に戻ることになった家族ですが、古民家での経験や、座敷わらしと過ごしたひととき。一生忘れられない経験として心に残るのでしょうね。

ちょっと、さみしくそれでも何か心が温まるファンタジーのような小説でした。
映画化されているので、DVDにもなっていそう。レンタル屋で捜してみようと思います。(2013.04.08記)
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