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あすなろ三三七拍子(重松清)


あすなろ三三七拍子(上) (講談社文庫)

あすなろ三三七拍子(下) (講談社文庫)

[感想]

応援団の世界が垣間見られる小説。”応援”とか”団”の意味するところが描かれている。
45歳の中間管理職が社長命令で応援団を潰さないために社会人入学するという取っ掛かりから奇想天外。
読んでいて、身につまされるテーマが盛り沢山。応援団の団員も個性あふれる若者揃いで、オトナと若者との軋轢、男女平等問題、父と子の関係など、様々な問題に直面する団長。体当たりでぶつかっていく姿に、オトナのそしてオヤジの意地を感じさせる。

最後の最後に、次の台詞がある。そのまま引用。
「みんなも、いまは若くて,誰の応援も要らないなんて思ってるみんなも、誰かを応援するなんてカッコ悪いと思ってるみんなも・・・ほんとは、いまだって、いままでだって、いつだって、だれかに応援されているんだ。誰かを応援しているんだ・・・応援して、応援されて…そうやって、みんなは生きてるんだと、俺は思う!」

文庫版の著者のあとがきを読んで、この物語に実在のモデルが居ると知って驚く。斉藤氏や社長。彼らのこんなハチャメチャな人生には付き合っていけないと思いつつ、少し憧れてしまう自分も見つける。(2017.10.26)
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