がんばらない(鎌田 實)
がんばらない (集英社文庫) |
あきらめない (集英社文庫) |
それでも やっぱり がんばらない (集英社文庫) |
[感想]
鎌田實の3部作
「がんばらない」「あきらめない」「それでも やっぱり がんばらない」を読みました。
「がんばらない」は、流行語のようになっていたのと、 テレビで時々鎌田さんの顔を見て、 ちょっと興味があって読んだ記憶があります。
そのあと、「それでも やっぱり がんばらない」を購入、半分ほど読んだところで、3部作であることを知り、2作目の 「あきらめない」が見つかるまで、読むのを中断。
運よく、「あきらめない」が近くのブックオフで見つかったので、 それを先に読みました。それから、この「それでも やっぱり がんばらない」を最初から 読みなおしました。順番に読んでよかったです。一つの流れがあります。
上っ面だけ読むと、単に、患者側の気持ちに立っての医療がテーマの ようにも受け取れます。 が、根底には、人間の強さやもろさへの理解。そして人間と人間のきずなを大切にすることが流れている気がしました。
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生きていくうえで参考になったのが、「がんばらない」けど「あきらめない」の項
引用すると、
リラックスしたり、おいしいものを食べたり、体をあたためたり、
「がんばらない」でホッとしていたりすると、自律神経のうちの
副交感神経が刺激される。
副交感神経が働くとリンパ球が増えて 免疫力がアップする。
また、希望を持って前向きに「あきらめない」で生きるとき、
交感神経が優位になる。
「がんばらない」と「あきらめない」のバランスが大切である。
「笑う門には福来る」、笑いが治癒力を増す。
体と心はつながっている。 (以上、引用。一部書き換えてます)
一つのことにこだわり過ぎると、こころとからだが病気になってしまう。時々は、振り返ったり、廻りを見る気持ちのゆとりを持つ。でも、志(基本)はしっかりと保つ。
といったところが、私流の解釈です。
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『今というストレスの多い時代が、必要としている言葉のような気がする。がんばらないけどあきらめない、それでもやっぱりがんばらない、とぼくは時々、自分に言い聞かせている』
と、あとがきで作者が語っています。 この言葉は、とても意味が深いと思います。
人それぞれ、自分の置かれた環境で具体的にイメージしていければ 良いのではと思います。
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この言葉の本当に意味するところ、鎌田さんが、こういう心境に至るまでの活動の内容、その活動を支えた、鎌田さんの出自の秘密、
などなど、読んでみて実感できるところが多いです。
読んであなたが元気になれるかもしれない、そんなおすすめの本です。(2012.10.05記)
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