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永遠のディーバ‐君たちに明日はない4(垣根涼介)


永遠のディーバ: 君たちに明日はない4 (新潮文庫)

[感想]

垣根さんの作品のなかでも”君たちに明日はない”シリーズはとてもよい。
いろいろな業種を取り上げて、リストラをせざるを得ない経営側と、リストラをされる側それぞれの状況が具体的に設定されている。
それに対してリストラ面接官・真介の悩みや考え方がよく伝わってくる。当然、作者の考え方が写されているんだろうな。

File1.勝ち逃げの女王:夢捨てがたく頑張って中途採用されたキャビンアテンダント(CA)浅野貴和子。その後も着々と仕事でも人生でも足元を固めていく。いわゆる勝ち組。そんな彼女に、あえて後輩の指導のために会社に残らないかと誘導する真介。結果はタイトルの暗示する通りなんだけど、”人それぞれ、生き方もそれぞれだ。何が正しくて、何が正しくないということはない。それで人生、意外と回っていく。”という言葉が印象的です。

File2.ノー・エクスキューズ:このエピソードは、ちょっと私には難しい。仕事に何か悩んでボーっとすることが多くなった真介。アシスタントや社長にまで気づかれてしまう。社長の高橋に誘われて行った、佐竹と小平との会食。この二人は、高橋が15年前に首切りをした対象。それなのに毎年会食を重ねてきた。それに真介を帯同した。
社長の真意は何か?ということなんですが、悩む真介に伝えたいことがありました。
その答えは、真介自身の言葉、”ようはさ、どんな企業に勤めてどんな役職になっているかっていうことより、それでやっている仕事の、自分にとっての意味の方が大事なんじゃないかな」 この言葉を自分に当てはめて思い出すと、最初のリストラの時に、万年課長で終わるのかと自分の将来を悲観して退職に応じたような記憶を思い出しました。

File3:永遠のディーバ:ディーバとは歌姫のこと。そういえば、サラブライトマンがそう言われていたかな(脱線)。
管弦打楽器事業部門に勤める飯塚正樹課長。学生のころまでは自前のバンド「ノー・ゲス」を結成して、ロックコンテストの全国大会で準優勝をした実績を持つ。
バブルの時の「一芸入社」で採用されたが、今は不景気で、実績が挙げられないでいる。そのためリストラの対象となる。
真介は、何かもやもやとしている飯塚に何か共感するものを感じて誘導していく。
結果、飯塚は真介の思い通りの選択?をするわけだが、ラストはとてもさわやかでハッピーエンド。ここら辺が、垣根涼介の真骨頂!(2017.01.11)

File4.リヴ・フォー・トゥデイ:今日を楽しく生きる、精いっぱい生きる。明日のことをいくら心配しても、また次の明日の心配がやってきて切りがない。それでは人生な何のためにあるのか?といった、哲学的な命題が根底にありそうです。
高校生の時から、ファミリーレストランでのバイトに精を出す主人公。バイトをしたいと父親に打ち明けた時の父親の言葉、「社会に出て、周囲から必要とされる人間になってほしい。社会的な立場で、偉いとか偉くないとかは関係ない」いい言葉ですね。私自身の記憶だと、万年課長になっているのがいやになって、早期退職制度に応募したっけ。
普段はやめさせる立場の真介が、今回は引き止め役になってしまう今回のストーリー。結果は・・・。主人公にとっては、ハッピーエンドになる予感で物語が終わってめでたしめでたし。やはり人のつながりは大切らしい。(2017.01.17)
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