氷の森(大沢在昌)


感想

”「新宿鮫」へとつながる大沢ハードボイルドの原点”とのことを読み終えて知りました。人が多く死にます。主人公の緒方は麻薬取締官を退職して私立探偵をやっていますが、緒方も人を殺します。大沢小説では主人公はほとんど人殺しをしないイメージを持っていたのでちょっと意外な感じで読んでいました。文章はいろいろな硬派の出来事を並べていきながら段々と謎の核心に迫っていくスタイルで、いかにもハードボイルドですかね。
テーマの中心に”氷の心を持った冷血漢が登場します。自分中心で自分から離れていくことを一切許さない、そんな人間が本当にいるのだろうかと思いますが、小説中では存在します。ちょっと没入しにくい感じはしましたが、それでも500ページあまりの文章を飽きさせずに最後まで読み終わらせてもらいました。
以下、裏表紙の説明文を引用します。
ストーリーの骨組みを練りに練ったということは感じられます。(2020/05/06)

私立探偵・緒方洸三が調査する先で、次々と関わった若者たちが殺害されていく。最も弱い部分を突かれ非業の死を迎える彼らは,やくざすら自在に操る冷血漢に支配されていた。緒方は六本木の街でひとり、暗黒に心を支配された男と対峙し、正体に迫る……。「新宿鮫」へとつながる大沢ホードボイルドの原点。

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