天の瞳 あすなろ編I(灰谷健次郎)


感想

あすなろ編のI巻もあっという間に読み終えました。
読んでいて思うんですが、小説なのに実話のように身近に感じます。
でもいろいろ身近な問題が都合よく?次々に起こるのですからやはり創作なんでしょうね。

  • 倫太郎も青ボンもしっかり心の通ったおじいさんに育てられて幸せです。
  • おふみばあさんは、子どもたちに囲まれて幸せです。
  • シュウちゃんは障害があるけれど、暖かく周りに見守られています。
  • 庵心籘子のきっぷの良さは心地よい。
  • ルイはフィリピンの貧しい生活の負けずにたくましく生きて堂々としてます。

とにかく主要な登場人物が皆輝いています。
作者の灰谷さんはコマゴマと描写していますが、きっとこういう人たちのあたたかい心を読者に感じ取ってほしかったのでしょう。

1年7組からの手紙

1年7組で始めた活動の広がりがストーリーの骨格の一つになっています。

  • 手紙を掲示板に張り出したことで、校長や教頭とのやり取りがあります。
  • 手紙が無断で撤去されたことから、教員たちの相手で自分たちの問題としての取り組網という機運が生まれます。
  • 担任のゴリの批判を柔軟に取り入れて、手紙の内容が一方的なものから広がりを持ちます。
  • 1年7組の活動から1年生全体の活動へ広がりだします。
  • 生徒会に働きかけて2年生や3年生とも一緒に考えるよう働きかけます。

覚えているだけでもこれだけのことが作品に盛り込まれてました。
でもなかなか物事は簡単には進みません。そういうものなんですね。

みんなが良くなりたい。わかり会えるようになりたい。
この気持を持って共感し会える人が一人でも増えると良いです。

非行といじめ

「天の瞳」ではおもに非行の問題が取り上げられています。
「いじめ」の問題を灰谷さんだったらどう取り上げてくれただろうか?
ぜひ読んでみたかった。

作品は「あすなろ編II」とその後に「最終話(絶筆)」が出たようです。
倫太郎たちがどうなって、どのように途切れてしまったのでしょうか?
読んでみたいような、読むのが惜しいような……微妙な心境です。
いつか、きっと読みたいです。(2019.04.27)
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