天の瞳 少年編(灰谷健次郎)



天の瞳 少年編I (角川文庫)

[感想]

この巻は私にとっては消化不良で終わってしまった。リエの不登校の理由、リエの心のうちについて書いてあることがよく理解できない。アズサとの関係とか、リエ自身の心の持ち方とか、いろいろと灰谷さんは書いてくれているのだが、どうも感情移入できないというか…、わたしには、心理描写的なところを理解するのはちょっと苦手かもしれない。
不登校児童をどう扱わなければいけないか、どう接するのが良いかというところは、倫太郎の行動を通じて、なんとなくわかったような気もする(2017.07.04)

天の瞳 少年編II(灰谷 健次郎)


天の瞳 少年編〈2〉 (角川文庫)

[感想]

倫太郎たちが中学校に入って、制服は着ない、丸刈りにはしない、そういう倫太郎やミツルをこの巻では例にして、学校の生徒指導の問題を扱っている。
始めから、学校の規則に従わない倫太郎やミツルに対して、執拗に指導を行う学校側。校長・教頭、担任たち。あまりの執拗さと、生徒はかくあるべしと信じて疑わない頭の固さ。こんな先生に当たったら生徒の方がたまったものではないと思わされる。生徒の自主性や生徒を育てるという信念のない先生たちが、従来の学校問題を引き起こした大きな原因の一つであると思わざるを得ない、内容でした。
不良グループたちからの執拗な勧誘に断り続ける倫太郎たち。暴力を振るわれて、仕返しを行う倫太郎だが、最後は、少林寺拳法の精神にのっとって、反抗しないところでこの巻は終わる。こういう不良グループが実在したのは過去の事実であろうが、なぜそうなってしまったか、そういう存在を許してしまう世の中になってしまったのかを問うていると思う。
この後、どうなっていくかは次巻にゆだねられていて、読み続けたいところだが、手元にはない。入手の予定もない。残念。(2017.07.04)
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