向日葵の咲かない夏(道尾秀介)



向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

[感想]

タイトルが読めますか?ひまわりのさかないなつ。他の作者と勘違いして手にした作品でしたが、読みごたえがありました。生まれ変わりが平気で出てくるところはちょっと変な感じですが、終盤までは小学生のミチオを主人公にした少年探偵物語風に話が進んでいきます。お母さんの切れ具合が異常なところが気になるところですが、それには触れずに最後への伏線になっていました。終盤までは、なぜ刑事が殺人事件として犯人を捕まえないのか、不思議な気がしてましたが、終盤のどんでん返しに次ぐどんでん返し。途中からはいったい犯人がだれか、話自体がコロコロ変わってさっぱりわからなくなりました。
”本当の終わり”の章で作者は、話に決着をつけますが、不思議な終わり方。結局作者は、「人はいろいろなプレッシャーに囲まれて生きている。普段はそれをごまかしながら生きているが、それにどうにも耐えきれなくなった時にとんでもないことをしでかしてしまうものであり、それを正当化しようとする生き物である」といったようなことを言いたかったのかな?それをひと夏の中で書いてみたんだろうと思いました。(2016.11.02)
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