俺はエージェント(大沢在昌)


感想

本作品は2017年12月初版発行と新しい。大沢在昌いまだ健在を感じました。
「007になりたい俺と時代遅れの老兵(エージェント)たちの決死の大作戦」がカバー裏のキャチコピーだが、そのとおりに登場人物が簡単に死んでいく。その中で頼りない俺(村井)がエージェントの白石さんにくっついての冒険譚。
俺は、ただエージェントに憧れているだけのできの悪い若者と思わせながら、実は公安警察官で白石さんを監視する潜入捜査官である、というところからすでに話はスパイ小説の世界になっている。そして話が進むに連れて俺が主人公になっていく。その話の進め方が500ページ以上の作品の中で読者をどんどん引っ張っていってくれる。あきさせないところはさすが大沢在昌健在です。
作品がまだ新しいだけに、現在の世界情勢そのものを写しています。
スパイの世界の勢力図とか、ゴルバチョフやプーチンが出てきて、まるで本当の話?と錯覚させられます。どこまでが本当でどこからが小説の世界の話なのか?そういう興味も持ちました。最後の数ページが圧巻ですね。
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